みかん小説
本棚

"逆ギレ夫の家出、怪奇な検針票" 第8話

「勝にに入ってきて、声してるけど……警察呼んだ方がいいんじゃない?」

「け、警察だと!?」

浩介は顔面を潮させ、ソファからび起きました。

「おたち、誰ので飯をわせてもらってるとってるんだ! 父親に対してその態度は何だ!」

激する浩介のに、私はすっとちはだかりました。

「子供たちに鳴るのはやめてちょうだい。ここはもう、あなたのではないのだから」

「なんだと!? 俺がこののローンを払ってるんだぞ!」

「いいえ。宅ローンの名義は共同名義で、をしたのは私の両親ですし、毎の返済座は私のパート代からも補填されていました」

私は淡々と事実を告げ、テーブルの向かい側の子を指差しました。

「どうぞ座って。あなたが先ほど話で言っていた、『誰のおかげで暮らせているのか』の答えわせをしましょう」

浩介は息を荒くしながらパイプ子を引き、乱暴に座り込みました。

「答えわせだと? 見苦しい言い訳を並べる気配か!」

私はテーブルのに並べた枚のグラフと、実際の公共料の請求を、浩介の目のへと押ししました。

「これを見てちょうだい」

浩介は怪訝そうに眉をひそめ、類に線を落としました。

「……なんだ、このは。数字ばっかり並べやがって」

「あなたがをてってからの、がの費と費の推移よ」

広告

私は番のグラフを指先でトントンと叩きました。

「まず、気代。あなたがいた先々は万千円でした。それが、あなたがてった翌から、万千円……きっかり半額になりました」

浩介の眉がピクリとねがりました。

「は、半額……? そんなの、季節の変わり目でエアコンを使わなくなっただけだろ!」

「いいえ、同のデータと比較しても割減よ」

私はややかに夫の顔を見据えました。

「誰が寝のクーラーを度で回しっぱなしにしていたかしら? 誰がリビングのテレビをつけっぱなしで朝まで爆していたかしら? 全部、あなたよ」

浩介は息を呑み、言葉を失いました。

私は髪を容れずに、次の用を突きつけました。

「次に、ガス代。万千百円から、千百円へと激減しました。分のよ」

「さ、分の……!?」

浩介の顔から、しずつ血の気が引き始めました。

「毎朝毎晩、分以もシャワーをしっぱなしにし、湯の追い焚きを何度も連打していたのは誰? 族には『シャワーは分』としていたあなたが、がのガスの割をい潰していたのよ」

「そ、それは……仕事の疲れを癒すために……」

「代も半額よ。歯磨きのもをしっぱなしにする悪癖のせいでね。そして、極め付けはこれよ」

私は費の集計表を、浩介の先に突きつけました。

広告

「費は万円から万千円へ。半分以になったわ」

浩介の瞳が、激しく揺れきました。

「あなた専用の黒毛牛、級な刺、毎晩のエビスビール。族には鶏胸肉とモヤシをべさせ、自分だけ贅沢昧を貪っていたあなたが消えたおかげで、費は万円も浮いたの」

「く……っ!」

浩介は拳を握り締め、屈辱に震えました。

私は卓を叩き、計の差額を叩きしました。

「あなたがいなくなっただけで、がの活費は毎万円以もくなったのよ。私のパート代とわせれば、毎万円以の黒字よ。貯すらできているわ」

静まり返ったリビングに、私の澄んだ声が響き渡りました。

「あなたが豪語していた『黒柱』の正体は、族を支える柱なんかじゃない。族の活費に寄してい散らかしていた、ただの巨な浪費の塊だったのよ」

浩介の額から、ダラダラとや汗が流れ落ちていきました。

彼が信じ込んでいた「俺がいないと族はきていけない」という絶対な神話が、客観な数字の暴力によって、々に打ち砕かれた瞬でした。

「そ、そんなはずはない……! 嘘だ! 数字を改ざんしたんだろ!」

浩介は往際悪く叫び、テーブルをバンと叩きました。

すると、背にっていた翔太が歩へ踏みしました。

「嘘じゃないよ」

翔太の静かで、芯の通った声が、浩介の声を遮りました。

浩介がおそるおそる息子を見げると、翔太はゴミを見るような徹な瞳で父親を見ろしていました。

広告

おすすめ作品

リンクを共有

以下のリンクをコピーして友達と共有してください: