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"八万八千円のスカーフと離婚届" 第7話

志津の静かな決に、倉田は力く頷いた。

「任せてください。先輩がどれほどの犠牲を払ってあのを支えてきたか、僕が番よくっていますから」

調査結果がるまでの週、佐伯のの空気は、もはや庭の体を成していなかった。

志津は事を切放棄した。

朝も作らず、洗濯もせず、族ののアイロンがけもしない。自分のべる分だけを買い、自分の洗濯物だけを回した。

リビングは瞬くに埃とゴミで荒れ果てていったが、雅也も子供たちも志津を罵るだけで、自分たちで掃除しようとはしなかった。

「おい、志津! 俺のワイシャツのクリーニングはどうなってるんだ!」

「夕飯の米も炊いてないってどういうことだよ! 事もしないでに居座る気か!?」

雅也と拓が鳴り込んできても、志津は自のベッドに腰掛け、文庫本を読んだまま線すら向けなかった。

「嫌なら、あなたたちがしてやまない恵理子さんにやってもらえばいいじゃない。族でやり直すんでしょう?」

志津が然と言い放つと、は悔しそうに舌打ちをして引きがるしかなかった。

真帆に至っては、もはやに寄り付かなくなり、恵理子のマンションから学に通っているようだった。

そして週の曜の午、倉田から志津のスマホに連絡が入った。

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「先輩、すべて分かりました。像以に真っ黒で、そして……あまりにも胸糞の悪い話です。今すぐ事務所に来られますか?」

事務所の会議のスクリーンに、膨な調査資料が映しされていた。

倉田はレーザーポインターを握り、徹な声で説を始めた。

「まず、神崎恵理子の現の財務状況です。彼女が経営していると称する輸入雑貨サロンですが、実態はペーパーカンパニーです。

それどころか、彼女は現、複数の怪しげな投資詐欺グループの片棒を担いでおり、さらに個にもホストクラブ狂いで、総額で千万円を超える借を抱えています」

スクリーンに、消費者融からの催促状の束と、怪しげな男たちと級クラブで豪遊する恵理子の隠し撮り写真が映しされた。

「彼女は完全に破産寸です。あとヶもすれば、のが回ってぐるみ剥がされる状態でした。そんな彼女にとって、唯の起回のチャンスが、父親である神崎宗郎氏のだったのです」

「でも……宗郎さんの遺産があるなら、それで借は返せるんじゃないの?」

志津が尋ねると、倉田は敵な笑みを浮かべた。

「そこが最のポイントです。神崎宗郎氏は、とんでもなく聡で、そして娘の本性を誰よりも見抜いていた物でした」

倉田はスクリーンを切り替えた。

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そこに表示されたのは、公正証遺言の控えだった。

「これは、宗郎氏がくなる半、まだ識が清だった頃に公証役で作成された公正証遺言です。宗郎氏の遺産は、元駅の商業ビルや広な林、預貯をわせて、総額で約億千万円。しかし、遺言にはこうかれていました」

倉田が指し示した条項を読みげる。

『女・神崎恵理子は、過の度なる貞、横領、親族への背信為に鑑み、遺留分を除く切の遺産を相続させないものとする。

遺産の部分は、孫である佐伯拓、佐伯真帆の両名に分のずつ遺贈する』

志津は息を呑んだ。

「拓と真帆に……?」

「そうです。宗郎氏は、娘の恵理子には銭も渡したくなかった。しかし、かつて置きりにされた孫たちのく末をずっと案じていたのです。そして、この遺言のをった恵理子が何を企んだか……もうお分かりですね?」

背筋が凍りつくような悪寒が、志津を貫いた。

「……子供たちをマインドコントロールして、遺産を自分ののままに操るため……?」

「その通りです」

倉田は吐き捨てるように言った。

「拓と真帆は、もう成しています。が『お母さんに遺産の管理を信託する』という委任状にサインし、遺産を恵理子の管理座に移せば、恵理子は億数千万円のを法にに入れることができる。

子供たちに買い与えていたブランド品や級フレンチなど、億円を騙し取るためのい撒き餌に過ぎなかったのですよ」

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