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"二千四百万の罠と偽りの解雇" 第5話

現調査から商業コンセプトの案、主テナント候補の選定までを、わずかヶという過酷な期で仕げる案件だった。

黒川部は私のデスクのにち、ファイルを放りすようにして言った。

「瀬に任せる。今度こそ、目に見える結果をしてみろ」

与えられたチームの員は、どう見てもしていた。

それでも私はチームのメンバーと共に必に駆け回り、ヶ、寝を忘れて調をねた。

元の商主たちとの対話をね、を渋っていた力テナントとの条件交渉も無事にまとめた。

クライアントへの最終提案を翌に控えた夜、黒川部から私の社用アドレス宛てに通のメールが届いた。

添付されていた提案の最終データをいた瞬、私の目のが真っ暗になった。

表に誇らしく記載されていたはずの『企画責任者:瀬咲』という文字が綺麗に消しられていた。

代わりにそこにあったのは、『企画責任者:黒川俊介』という太い文字だった。

私はファイルを閉じ、に部席へと向かった。

「部、提案の表の責任者名がき換えられています」

黒川部はパソコンの画面から線をげず、平然とした声で答えた。

「変えたよ。の先方へのプレゼンは、俺が直接やることにしたからな」

「企画の責任者名まで、部のお名に変える必はないはずです」

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「役員会を通すでも、部である俺の名でしておいた方が通りがいいんだよ」

「このヶ、現を臭くいずり回ってチームをまとめてきたのは私です」

「分かってるよ」

黒川部は背もたれに体を預け、面倒そうに私を見げた。

「今回は俺の名です。瀬には、また次の会があるだろう」

私はたいりを押し殺しながら、静かに求した。

「では、責任者を変更した正当な理由を、メールで送ってください」

その瞬、黒川部の顔から余裕の笑みが完全に消えった。

「……何のために、そんなメールが必なんだ」

「業務の経緯を、客観な記録として残しておきたいからです」

「俺が今、で説しているだろうが!」

「ではなく、社内メールでのご説をお願いします」

沈黙がのにく横たわった。

黒川部は私を睨みつけたまま、それ以何も言わなかった。

結局、その夜、黒川部から説のメールが届くことはなかった。

そして、迎えたのが今朝だった。

社した私の社員証は突然アクセス権限を奪われ、ゲートので解雇を宣告されたのだ。

目のに座っている黒川部は、から何つ変わっていない、醜悪な保の塊のままだった。

変わったのは、ただ耐え忍ぶだけだった私の方だ。

佐伯部が震えるでスマートフォンをに当てた。

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「……分かりました。確認だけ、させていただきます」

佐伯部はに会議のへとていき、扉がく閉ざされた。

残された黒川部は、机のに置かれた私のスマートフォンを忌々しそうに睨みつけた。

「おい、瀬。お、本気で会がこんなくだらない呼びしに応じるとっているのか?」

「確認していただければ、すべて分かります」

「おな、いい加減に……」

黒川部が鳴り声をげようとしたまさにその、会議のドアが勢いよくいた。

戻ってきた佐伯部の顔には、先ほどまでの困惑ではなく、らかな揺と恐怖が張り付いていた。

黒川部が眉をひそめて尋ねた。

「佐伯さん、どうしたんですか。何て言われました?」

「黒川部……会秘から、こちらへ直接を向かわせるそうです」

黒川部のきが止まった。

「……を向かわせる? 何のためにです」

「瀬さんの解雇の件について、事実関係を確認するためだと……」

私は何も言わず、ただ静かに座っていた。

黒川部は佐伯部の蒼な顔を見つめ、それから信じられないものを見るような目で私を見つめた。

「……瀬、お、体何者なんだ」

私はその問いには答えず、静かに線を落とした。

それから分も経たないうちに、会議のドアが静かに、だが迷いのない力でけ放たれた。

入ってきたのは、仕ての良い紺のスーツを着こなした、の女性だった。

藤森レナさん――代表取締役会付きの秘だった。

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