みかん小説
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"離婚を知らずに生活費25万円を催促する夫" 第2話

そこにははっきりとこうかれていた。

『あの嫁を追いしたら、すぐにでもしい方をお迎えしますからね。浩司もそのを楽しみにしていますよ』

その文字を見たの指先の震えを今でも覚えている。夫だけではない。義母も全てをったで、私から財産だけを奪いから追いす計画をてていたのだ。

私が父から受け継いだ、このとを乗っ取るために。だから私は黙っていた。泣き叫ぶ代わりに静かに印鑑を押し、類を揃えたのだ。

「とにかくの朝だぞ。しでも遅れたら、もうには入れないとえ」

話の向こうで夫がまた声を荒げた。そのだった。

「ねえ、まだ終わらないの? せっかくのワインが温かくなっちゃう」

夫の背から、とても甘い若い女性の声が聞こえた。瞬、話の向こうで息を呑む気配がした。夫が慌ててマイクの部分をで塞いだような、くぐもった音がする。

しかしその声は私のにしっかりと届いていた。

「今のは誰の声?」

私がくゆっくりと問いかけると、夫はあからさまに揺した。沈黙が流れる、ホテルの部の計が静かにを刻んでいく。

私はノートを閉じ、ある決断を胸に秘めた。

「い、今のはテレビの音だよ。ドラマでも見てたんだろう。じゃあな」

夫は焦ったようなでそう言うと、方に話を切った。

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ツーという無質な子音が部に響く。

私はスマホをテーブルに置き、めかけた缶コーヒーをもうんだ。りを忘れることはないが、これまでのの記憶が静かにのを巡っていった。

なぜ無職の夫と義母をすぐに追いさなかったのか。それにはどうしても譲れない理由があった。私たちが暮らしているあのは、き父が残してくれた切な所だったからだ。

父はさな務を営む真面目なだった。あのは、父が私のために自分ので建ててくれた唯の財産だ。玄関をけると、いつもほんのりとヒノキのりがした。

リビングには父がこだわって削りした太いの梁があり、庭には緒に植えた桜のがある。私は設計士として働きながら、父のいが詰まったあのをずっと守りたかった。

しかし、夫と義母にとってそこは単なる便利な無料の宿でしかなかったのだ。に夫が起業すると言いした、私は夫婦として応援したいとい反対しなかった。

最初の頃、夫は「おには苦労をかけるかもしれないが、必ず成功して楽にさせてやるからな」と自信に満ちた顔をしていた。しかしその言葉はすぐに嘘に変わった。

夫は準備ばかりで向に働かず、毎遅くまで寝てネットを眺めているだけ。

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そのくせ社にはだしなみが必だと、私のカードで級なスーツを買うようになった。

さらに状況を悪くしたのは義母のだった。起業を支えるために伝うと言って方に荷物を運び込んできたが、事など切しない。

朝から晩までソファを占領してテレビを見て笑うだけ。当然のように肉料理を求し、に傷がついても壁を汚しても全く気にしなかった。費も費も全て私の収入から消えていった。

ある晩のことだ。私が仕事部で夜まで図面を描き終え、キッチンへ向かった、暗いリビングで夫と義母が声で話し込んでいた。

「美保の稼ぎがあるうちは、おはゆっくりを探せばいいのよ。あんな女使い倒せばいいんだから」

義母の甘やかすような声に、夫はで笑うように答えた。

「あいつはでパソコン叩いてるだけだからな。俺ができい仕事を掴むまでの、ただの財布だよ。どうせあいつは俺がいないときていけないんだから」

私はキッチンの入りでを止め、マグカップを持つ指先に力を込めた。鳴り込んでを追いすのは簡単だったかもしれないが、私には確たる証拠がなかった。

は私の名義でも、結婚に貯めた預は夫婦の共財産だと夫はいつも主張していた。もしに婚を切りせば、夫は被害者のふりをして財産の半分を求するだろう。

義母も必ず親族や所に私の嘘の悪を言いふらすに決まっている。

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