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"離婚を知らずに生活費25万円を催促する夫" 第9話

幹線が元の駅のホームに滑り込んだ。改札を抜けるとそこには見慣れた顔がつ待っていた。向かいにむ由美さんとそのお母さんだ。

「美保ちゃんお疲れ様。で辛かったわね」

お母さんが私のを両で包み込み、優しく声をかけてくれた。由美さんも呆れたようにため息をつく。

「あの義母さん、昼にうちの母のところへ来て声で泣き真似をしてたのよ。でも美保ちゃんが毎どれだけあのたちの世話をしていたか、ご所はみんなってるわ。あんなな嘘、誰も信じるわけないじゃない」

義母の浅はかな嘘は完全に裏目にていたのだ。私たちはタクシーに乗り、のくで私だけがりて由美さんたちはしれた所で待してくれた。

玄関のにつと、のから夫と義母のきな笑い声が聞こえてきた。私が完全に屈し、怯えていると信じて疑わないのだ。

私はバッグからの鍵を取りし、静かに鍵穴に差し込んだ。ドアがゆっくりとくと、リビングの空気が瞬で張り詰めた。

私が靴を脱ぎスーツケースを引いてリビングに入ると、そこには夫と義母が座っていた。テーブルのには私が自分の誕に買った級な茶葉で淹れた茶が入っている。

「遅かったじゃないか。泣いて謝る準備はできたのか」

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夫は勝ち誇ったような笑みを浮かべ、にあの赤いバインダーをしっかりと握っていた。義母も隣で腕を組みながら私をたく見ろしている。

私はスーツケースをに置き、の向かい側にある子に静かに座った。

「さないわよ。百万なんて」

私がく平坦な声で言うと、夫の顔が変わった。

「なんだと? まだ状況が分かってないのか。俺がこのファイルをいて話本かければおの仕事は終わりなんだぞ」

夫はちがり、赤いバインダーをテーブルに叩きつけた。私はこぼれた茶をたく見つめ、夫の目を見返した。

「じゃあかけてみればいいじゃない。そのファイルのにある番号に今すぐ話をかけてみなさいよ」

私の予の落ち着きに夫は瞬ひるんだが、すぐにがってバインダーをいた。しかしページをめくる彼のが、自然に空で止まった。

「な、なんだこれ?」

彼がいたバインダーのに綴じられていたのは、に終わった町内会の古い回覧板のコピーやピザのチラシ、そしての束だった。

「それはただのダミーよ。事なデータは全てセキュリティのかかったクラウドに保してあるわ。あなたが私の部を漁る棒だとは分かっていたから、わざと目つ所に置いておいたのよ」

夫のからバインダーが滑り落ちた。

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私を脅すための最の武器は、最初からただのゴミだったのだ。

「何よ気なを聞いて。ファイルがなくても、私がご所に言いふらした噂があるんだからね」

義母が慌ててちがり私を指差したが、私は全くじなかった。

「お義母さん、あなたが嘘を吹き込んだ町内会の奥さんって、向かいの由美さんのお母さんですよね。私、先ほど駅からその由美さんたちと緒に帰ってきたんです」

義母の顔からさっと血の気が引いた。

「あんなな嘘、誰も信じるわけないって言っていましたよ。逆にあなたが若い女性をこのに連れ込んでいたことも、すでにご所で噂になっています。で笑われているのはあなたの方ですよ」

義母は言葉を失い、ソファに崩れ落ちるように座り込んだ。さな反撃の連続で、の余裕は完全に消えっていた。

私は元にあるスーツケースをけ、番底にしまってあった父の桜の箱を取りした。自分の番くに置き、次にあの分いノートを取りしてテーブルの央に静かに置いた。

「このの、あなたたちの嘘と横領の記録よ」

表にを置いたまま静かに告げた。義母が引きした現が豪華な代に消えたこと、とのレシート、の名義変更を計画したメモなど、全てが揃っている。

「ふざけるな、そんなもの証拠になるか」

夫ががってを伸ばそうとしたが、私はたい線で制した。

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