みかん小説
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"クラウドが暴いた午前一時の密会" 第2話

頼れるのは、こので共に暮らす夫、拓ただしかいなかった。

が過ぎた。

半が過ぎた。

処置の壁掛け計の針が音もなくむ。スマートフォンの画面は暗転したままで、着信履歴は件も増えない。

見かねた野護師が、病院の固定話から拓の携帯番号を鳴らしてくれた。

しかし、コール音が虚しく響くだけで、回、回と鳴らしても向に繋がらない。最には「波の届かない所にあるか、源が入っていないため……」という無質なガイダンスが流れるだけだった。

「ませんね……」

野さんの表から、同が消え、医療従事者としての苛ちが滲み始めていた。

「お母さん、もうすぐ付が変わります。このままではお母さんの治療も途半端になりますし、何より、このるさと騒音のでお子さんをこれ以放置するのは、体にも限界です。脱でこの子がをしてしまう恐れもあります」

ベッドので、悠真の泣き声がかすれてきていた。喉が枯れ、呼吸が引きつけのように刻みに震えている。

パパ、く来てよ。

どうして来てくれないの。

僕、もうここはいやだよ。苦しいよ。

言葉にならない叫びが、私の臓を素で握りつぶすように痛めつけた。

なぜ、拓は来ないのか。取引先の接待と言っていた。

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だが、いくら仕事の付きいだろうと、妻が救急搬送され、乳み子が病院に取り残されているとって、話の本も寄こさずに放置するがどこにいるだろうか。

ふと、私の胸の奥くに沈殿していた、ここ数ヶのさな違の数々が、パズルのピースのように噛みい始めた。

曜の夜になると増える「接待」。自然に調されたシャツ。スマートフォンの画面をにして置く癖。そして今夜、話の向こうから聞こえていた華やかな笑い声――あれは本当に、代のむさ苦しい男性役たちの声だっただろうか。もっと若く、甲い女の嬌声が混ざっていなかったか。

寒気が背筋を駆けがった。による悪寒とは違う、魂の芯が凍りつくようなたさだった。

「お母さん」

カーテンのから、を着た当直医が静かに声をかけてきた。

「これ以、民病院の救急来でご族の到着を待ち続けることはできません。すでに夜を回っています。これ以の待は、お子さんの保護責任の観点からも過できない状態です。……児童相談所の緊急保護請をします。よろしいですね?」

児童相談所。保護。

その々しい単語が、病のたい空気を裂いた。

普通にきていれば、関わることのないはずの制度。ニュースの向こう側にあるとっていた言葉が、今、私と息子のに突きつけられていた。

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「嫌……」

涙が、私の目尻からのへと流れてシーツを濡らした。

「私が……私がもっとしっかりしていれば……」

「お母さんのせいじゃありません」野護師が私の震えるをく握ってくれた。「あなたは限界までで頑張りすぎたんです。今は、悠真ちゃんの全を番に考えましょう。ね?」

私は麻痺したようにいで、枕元のスマートフォンを掴んだ。震える指先で、夜緊急ダイヤル、そして児童相談所の緊急窓の番号をなぞる。

話の女性職員は、私の掠れた声と、背で泣き叫ぶ乳児の声を聞き、事態の刻さを即座に察してくれた。

『わかりました。至急、当直の職員名をそちらの病院へ向かわせます。お母さん、ご自分を責めないでくださいね。赤ちゃんは私たちが責任を持ってお預かりしますから』

通話を終えた瞬、私の目からの堤防が決壊したように涙が溢れした。

救急のサイレンの音よりも、医師の宣告よりも、何よりも残酷だったのは、夫が来ないという厳な事実だった。

ヶのが子を、見らぬ政の施設に預けなければならない屈辱と絶望。その原因を作った男は今、どこで何をしているのか。

夜分。

児童相談所の職員名が処置に到着した。丁寧な元確認と、緊急保護に関する同の続き。

点滴を打たれたまま、震えるで署名をする私の横で、悠真は疲れ果てたようにさな寝息をて始めていた。

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