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"クラウドが暴いた午前一時の密会" 第5話

その作には、病を気遣う優しさではなく、「見いに来てやった」というアリバイ作りの空気が透けて見えていた。

「おかげさまで、はしがったわ」

「そうか。ならよかった」拓はパイプ子を引き寄せて座り、周囲を気にしながらを乗りしてきた。

「なあ志保、児相の件だけどさ。さっき担当の女に話したんだけど、母親であるおの同がないと返せないの点張りなんだよ。おから話して、『夫に引き渡すことに同します』って言えよ」

私は井を見つめたまま、微だにしなかった。

「どうして?」

「どうしてって……当たりだろ! 俺の息子だぞ!? 世体ってものがあるだろ! 会社の輩や司にられたら、俺の世はどうなるんだよ! 『あいつ、嫁が入院した晩に子供を児相に取られたらしいぞ』なんて噂がったら、俺は終わりなんだよ!」

どこまでも、自分のことばかり。

息子の命や健康、妻の病状など、彼の脳内の優先順位には最初からしていないのだ。

「拓」

私はゆっくりと首を巡らせ、夫の目を正面から見据えた。

「昨の夜、誰といたの?」

拓の呼吸が、目に見えて止まった。

「……は? 何言ってんだよ。接待だって言っただろ」

「どこの取引先の、誰と?」

「……広告の、佐々部だよ。言ったって分からないだろ」

「駅の祭り、桟敷席は事抽選制で、今は企業の協賛席は設置されていなかったそうよ。

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病院の護師さんが教えてくれたわ。元のだから詳しいの」

それは半分カマをかけたものだったが、拓の揺は劇だった。

泳ぐ線。引きつる頬の筋肉。拓は唾をみ込み、声を震わせた。

「お、通り沿いの居酒のテラス席だよ! 祭りの雰囲気が見える席だったんだ! 細けえこと突っかかってくんなよ! 俺が浮気でもしてると疑ってんのか!?」

「疑ってなんかいないわ」

私は淡に言った。

「確信しているだけ」

「ふざけんな!」拓はちがり、子を蹴るように引いた。「が配して見いに来てやれば、言いがかりつけやがって! おがそんな態度なら、もうらん! 勝にしろ!」

拓は病のドアを乱暴に閉めててった。

逃げたのだ。自分の嘘が破綻していることに耐えられなくなって。

拓がった静寂ので、私は枕元のスマートフォンをに取った。

まずは、証拠を集めなければならない。に喚き散らしても、拓のような男は嘘をねて逃げおおせるだけだ。徹底に、逃げのない事実の檻に閉じ込める必がある。

私はまず、族共のクラウドストレージにアクセスした。

かつて旅の写真を共するために作ったアカウント。拓のスマートフォンのカメラロールが、自バックアップ設定のままになっているはずだった。

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案の定、設定はきていた。

アルバムをいた瞬、私の界を埋め尽くしたのは、息を呑むほど鮮な裏切りの記録だった。

昨夜の付、分。

夜空に輪のが咲き誇るで、カメラに向かって寄り添い、満面の笑みを浮かべる男女の自撮り写真。

拓の隣にいたのは、見覚えのある女性だった。

青い朝顔の柄が艶やかなの浴を着て、拓の腕に胸を押し当てるように抱きついている若い女。

宮本綾乃。

拓の勤める会社の営業事務で、の社員旅の集写真で拓の隣に写っていた輩社員だった。

写真のデータには、詳細な撮位置報とが克に刻まれていた。

分、祭りのでリンゴ飴を持って笑いう綾乃。

分、駅くの級バーのカウンターで、カクテルグラスをねわせるの元。

分、歓楽の奥にあるホテルのネオンサイン。

そして――夜分、ホテルのエレベーター内の鏡越しに撮られた、乱れた浴姿のツーショット。

私がで識を失いかけ、ヶの悠真が救急来のベッドで絶叫していたまさにその、拓はこの女と体をね、を囁きっていたのだ。

指先が氷のようにたくなり、奥歯がガチガチと音をてて震えた。

吐き気がせりがり、私は胃液を吐きそうになるのを必で耐えた。

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