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"母の葬儀を拒んだ叔父と、消えた教育資金350万円" 第2話

呼びし音が回以鳴った、受話器の向こうからどこか横柄な叔父の声が聞こえてきました。

「はい。藤崎ですが」 「あの、まほです。お父さんの弟の娘の、まほです」

私が名乗ると、叔父は骨に警戒するような沈黙を落としました。

「まほ、何の用だ。こんな朝くから」 「お母さんが今朝、倒れてくなりました。病院にいるのですが、私どうしていいか分からなくて」

受話器の向こうの叔父は驚く様子も見せず、ただく舌打ちを鳴らしました。

「んだのか、えみこさんが」 「はい。お願いします、おじさん。私では何もできなくて、相談に乗っていただけないでしょうか」

私が泣きじゃくりながら訴えると、叔父はしばらく無言を続けた、吐き捨てるように言いました。

「今、親戚でうちの法事の打ちわせをしてるんだ。来るなら本へ来い。話であれこれ言われても困る」

そう言って方に受話器を切られてしまいました。たい対応に胸がざわつきましたが、そのの私にはに助けを求められる相が誰もいませんでした。

病院の担当者に母の遺体を預かってもらうようくをげ、私は着の着のままで本へと向かいました。

のたいがり始めていました。傘も持たずにった私の肩や髪はすっかり濡れそぼり、指先は氷のようにたくなっていました。

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駅から歩いて分ほどの宅に、父の実であるきな本が建っています。をくぐり、玄関の格子戸のにった、のから複数のの話し声が聞こえてきました。

正尾叔父だけでなく、の親戚たちも集まっているようでした。私は呼吸を繰り返し、しでも失礼のないように濡れた髪をで押さえました。

ここへけば、きっとの誰かが何をどうすればいいのかを教えてくれる。母の最のお別れをきちんとした形でえるための恵を貸してくれる。

私は歳の未熟な期待を抱いたまま、い玄関の引き戸にをかけました。

玄関の引き戸をけると、苦しい線の匂いがをつきました。にがった私を迎えてくれたのは、温かい言葉ではなくに眉をひそめる伯母の線でした。

「まほちゃん、本当に来たの? 靴を揃えてくがりなさい。の気が入るから」

急した母を悼む気配は微もなく、伯母は濡れた私の元を嫌そうに見つめました。案内された奥の畳には、正尾叔父をに父方の親戚が座になって座っていました。

話で聞いていた通り、テーブルのには茶菓子や古い系図のような類が散らばっていました。私が部の敷居ので々とをげても、誰として座布団を勧めてくれるはいません。

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「母が今朝、急に息を引き取りました」

私はえ切った指先を膝ので握りしめ、掠れる声で事実を告げました。

「急性筋梗塞でした。昨まで元気だったのに急に倒れてしまって、病院の先からも突然のことだと言われました」

座敷を満たしたのは沈痛な空気ではなく、誰かがさくため息を漏らす音でした。座に腰をろした正尾叔父は、湯呑みを机に置くと腕を組んだまま私を値踏みするように見つめました。

「話でも聞いた。それでおは、うちへ何をしに来たんだ」

く酷な叔父の声に、私の臓が痛いほどねがりました。

「病院の霊に母の遺体が置されています。ですが私では葬儀業者をどう呼べばいいのかも、区役所に何を届ければいいのかも分かりません」

私は敷居をまたぎ、畳のに両と両膝をつきました。額が畳のたさに触れるほどくをげ、必に言葉を絞りしました。

「費用を全部して欲しいわけではありません。母が残してくれたわずかな貯があるはずですし、私もこれからは何でもして働きます」

声が激しく震え、目から涙がこぼれ落ちて畳に黒いシミを作りました。

「葬儀の段取りが本当に何つ分からないのです。の方に、どうか伝っていただきたいのです」

それは歳の私が差しせる精杯の誠と、なりふり構わぬ懇願でした。

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