みかん小説
本棚

"母の葬儀を拒んだ叔父と、消えた教育資金350万円" 第3話

母をこのままたい病院のに放置するわけにはいかないというだけだったのです。

しかし私の言葉が終わっても、座敷の誰もちがろうとはしませんでした。擦れの音すら止まり、静まり返った部ので親戚たちは気まずそうに線を交わしうだけでした。

父のすぐの弟である叔父は、元の湯呑みをもてあそびながら線をへ落としました。その隣に座る伯母も元を扇子のようなぬぐいで覆い、私から目を逸らしました。

「伝ってくれと言われてもな」

沈黙を破ったのは、やはり正尾叔父の突き放すような声でした。

「葬儀なんてものは喪主がやるものだ。おはもうだろう。世じゃ派にとして扱われるだ」 「でもおじさん、私はまだをたばかりで喪主の経験なんてありません」 「経験がないからとに頼るな」

叔父はややかに言い放ちました。

「えみこさんがきていた頃、あのは度でもうちの敷居をまたいだか。おの親父がんだ、うちの法事にも顔をさず付きいを避けていたのはおの母親の方だろう」

正尾叔父の調には、溜め込まれたような悪が棘となって含まれていました。

母は決して親族付きいを嫌っていたわけではありません。毎のように朝から晩まで働き詰めだったため、方の事に頻繁に参加する余裕がなかっただけでした。

広告

それでもお元やお歳暮の期には、母が丁寧に選んだ品物を本へ送り届けていた姿を私はこの目で見ていました。

「母はお仕事が休めなかっただけで、皆様を避けていたわけではありません」

私が必に弁解しようとすると、正尾叔父は机をのひらでく叩きました。乾いた鈍い音が部に響き渡り、私の言葉は喉の奥で詰まりました。

「答えをするな。弟がんだもそうだ。保険が入った途端、あの女は親戚との連絡を断ち、自分たちの活だけを囲い込んだ」

叔父はさらに続けました。

「うちの親父、つまりおの祖父が倒れただって見いのつもよこさなかったじゃないか」 「そんなこと、母がするはずありません」 「現にそうだったんだよ。族の輪から弟を引きし、最はらん顔を決め込んだ。それがおの母親の本性だ」

叔父や伯母たちもその言葉にさく頷き、私を酷な目で睨みつけました。

「そうよ、まほちゃん。あんたの母親は藤崎のを軽していたのよ。今更自分がんだから助けてくれなんて虫が良すぎる話だわ」

親戚たちのから次々と投げつけられる言葉は、母ののしみに暮れる私のを鋭く切り裂きました。母は父がくなった、度とも父の悪を言ったことはありません。

『お父さんのご実にはご迷惑をかけないように、私たちは私たちのでとうね』と静かに笑っていただけでした。

広告

それなのに目のにいるたちは、くなった母をまるで恩らずの裏切り者のように罵っていました。

畳に膝をついたまま、私の両は悔しさと恐怖で刻みに震え続けました。

誰も助けてくれない。ここにいる血の繋がった親戚の誰として、歳の姪のを取るつもりはないのだという現実が、を浴びせられたように体を突き抜けました。

助けを求めるためにげたを、私はゆっくりと持ちげました。座敷のたちはまるで厄介な物乞いを見るかのようなたい目で私をただ見ろしていました。

正尾叔父は腕を組んだ姿勢のまま、私を見ろす線をさらに険しくしました。

「体だな、まほ。おの母親は最初から藤崎のを見していたんだ」

座敷の空気が段と張り詰め、親戚たちが息をむ気配が伝わってきました。

「弟がきていた頃からそうだ。お盆や正に顔をしても、形ばかりの挨拶を済ませたらすぐに引きげようとした。弟を実からざけ、自分の都のいいように操っていたのは全部あの女だ」 「母はそんなではありません」

私が絞りすように抗議しても、叔父はで笑うだけでした。

「子供のおに何が分かる。弟が病気で倒れたもそうだ。

広告

おすすめ作品

リンクを共有

以下のリンクをコピーして友達と共有してください: