みかん小説
本棚

"母の葬儀を拒んだ叔父と、消えた教育資金350万円" 第11話

差は耶でした。

『まほちゃん、突然すみません。父には内緒でだけでお話しさせていただけないでしょうか。どうしてもりたいことがあります』

私は帳をき、翌の仕事終わりのに返信を送りました。過の真実と向きうが静かに訪れようとしていました。

翌の夕方、私は会社のくにある静かな喫茶の個を取りました。約束のの分に扉がき、いトレンチコートを着た耶がおずおずとへ入ってきました。

「お忙しいところが儘を言って本当にすみません」

耶はくをげ、私の向かいの席に腰をろしました。テーブルに運ばれてきた温かい茶にをつけることもなく、彼女は両を膝ので固く握りしめていました。

「昨、兄と夜遅くまで話したんです。あの、父はに戻ってからもずっとまほちゃんの悪ばかり言っていました」

耶の声はさく震え、父親に対するい失望が滲んでいました。

「昔からそうでした。父はいつもまほちゃんとお母さんのことを悪く言っていたんです。でも昨の父の取り乱し方は異常でした。何かを必に隠そうとしているようにしか見えなくて」

私は何も言わず静かに耶の言葉にを傾けました。耶は呼吸をえ、を決したように私を見つめました。

広告

「お願いです、まほちゃん。、父とお母さんのに何があったのか本当のことを教えてください」 「耶ちゃんたちは、おじさんからどんな話を聞かされていたの」

私が落ち着いた声で問い返すと、耶は唇をく噛みしめました。

「父が言っていたのは、お父さんがくなった、まほちゃんのお母さんが父方の親戚を方に避けるようになったということです」

耶のから語られた内容は、あまりにも都よくき換えられた虚構でした。

正尾叔父の説では、父がくなった際、母は親族との連絡を完全に断ち、本からの温かい支援の申しを全て突っぱねたことになっていました。祖父が体調を崩した際も切顔をさず、酷に親族の縁を切ったのだと幼い兄妹に言い聞かせていたのです。

さらに驚くべきことに、母がくなったの来事についても全く正反対の話が刷り込まれていました。

「母が倒れたと聞いた父が配してすぐに駆けつけようとしたのに、まほちゃん側から『親戚の顔など見たくない。葬儀は族だけでやるから来るな』とたく拒絶されたって。父はずっとそう言っていたんです」

耶の告を聞きながら、私の胸のにたいりとい虚しさが広がっていきました。

もの、叔父は自らの非な仕打ちを隠蔽するため、幼い子供たちに者への汚名を植え付け続けていたのです。

広告

私は温かいカップに両を添え、ゆっくりと線をげました。

「耶ちゃん、その話は最初から最まで全部嘘です」

耶の肩がびくりとねがりました。

「の、母は格通が届いた翌朝、台所で突然倒れて息を引き取りました。私には頼れる親戚がいなくて、母の遺体を霊に残したままのをで本へりました」

私は記憶の底に眠っていた脚のない平易な事実として語り始めました。

本の座敷に親戚同が集まっていたこと。歳だった私が畳のに両と両膝をついてくをげたこと。葬儀の段取りが分からないので伝ってくださいと涙を流して懇願したこと。

そしてその懇願に対して正尾叔父が放った言葉を、静かに告げました。

「おじさんは私を見ろして、『おの母親が勝に選んだき方だ。最まで自分たちだけで始末をつけろ』と言って追い払いました」

私の淡々とした語りに、耶の顔から血の気が急速に引いていきました。

「そんな嘘でしょう。父がそんな残酷なことを」 「嘘ではありません。誰として私に座布団を勧めることも、ちがってを差し伸べることもしませんでした。母の葬儀を伝ってくれたのは親戚ではなく、母の勤務先だった町の方々です」

耶は両で顔を覆い、言葉を失って震え始めました。

広告

おすすめ作品

リンクを共有

以下のリンクをコピーして友達と共有してください: