みかん小説
本棚

"母の葬儀を拒んだ叔父と、消えた教育資金350万円" 第14話

会社の社員たちの料を払うためだった。弟がきていたら絶対に兄貴族のために使ってくれと言ってくれたはずだ。俺は族を守るためにに借りただけだ」 「借りただと?」

優は激昂し、机を拳で激しく叩きました。

「借りたのならなぜまほちゃんが歳になったに言も言わなかったんだ。なぜ返す相談すら持ちかけなかった」

叔父はを結び、線を畳のシミへと落としました。

返す当てなど最初からなかったのです。会社の経営は向くどころか々悪化の途をたどり、度をつた資を補填する余裕などまれませんでした。

そしてまほが歳を迎え母が急したあの朝、叔父のを支配したのは姪への同ではなく自己保の恐怖でした。

もしもまほに寄り添えば預かっていたはずの教育資の方を問われる。弟との約束を破り姪の学資を着した事実が親類にれ渡れば、としての面目は完全に失墜する。

その恐怖から逃れるために、叔父は先を打って母えみこに汚名を着せ、まほを酷に追い払うを選んだのです。

「俺だって苦しかったんだ」

叔父は両でを抱え、掠れた声で呟きました。

「弟をくして親父の介護を背負わされ、会社をで守らなきゃならなかった。弟の嫁と娘ばかりが軽に見えて妬ましかったんだ。

広告

あいつらは苦労をせず保険で悠々自適に暮らしているとい込もうとした。そうわなきゃ俺自の気が狂いそうだったんだ」

自らのさと罪を正当化するために者を貶め、歳の女を見捨てた。それが正尾叔父が守り続けてきた父親としての虚飾の正体でした。

耶はくため息をつき、静かに首を横に振りました。

「苦しかったからって、を踏みにじっていい理由にはならないよ。父さんは自分のさを隠すために、まほちゃんのを奪おうとしたのよ」

優は類の束を丁寧に揃え、鞄のへと納めました。

「俺たちはまほちゃんの会社の選考を受ける。父さんのコネなんかじゃない。の求職者として正規の続きで挑む」

叔父が呆然と顔をげました。

「優、お」 「それからこの類はまほちゃんに渡して、弁護士にも相談してもらう。父さんが犯したことの落としは、父さん自がつけなきゃいけない。俺たちを巻き込むな」

息子から浴びせられた徹な宣告は、かつて叔父がまほへ放った「自分たちだけでやれ」という言葉と奇妙なほど残酷になりっていました。

居に残された叔父はさく丸まった背を震わせ、ただ沈黙のに沈んでいきました。

週がけた曜の朝、私は社に事部を呼びしました。

広告

途採用の類選考を通過した候補者たちの名簿のに、優と耶の名が正式に含まれていることを確認するためでした。

「部、この名について私から事に伝えておくべきことがあります」

私はの履歴を指さし、平静な声で告げました。

「は私の父方の従兄妹に当たります。親戚関係です」

事部は驚いたように目を見張りましたが、私の真剣な表を見てすぐに居まいを正しました。

「そうでしたか。では特別に配慮すべき点などはございますでしょうか」 「いいえ。逆です。切の特別扱いを禁じます」

そして公正な採用選考を担保するため、私自が代表として持つ最終決定権をこの名に関しては完全に放棄します、と私は元に用していた社内続きの面を差ししました。利害関係者に関する選考辞退届でした。

「類審査、記試験、次面接、そして最終面接の評価と否判定に至るまで全て事部と現の各事業部の判断のみでってください。私がの選考結果に見を挟むことは切ありません。基準に満たなければ迷わず落としてください。逆に現が必だと認めたなら、誰に慮することなく格をしてください」

事部は面を受け取り、く礼しました。

「承いたしました。

当社の評価基準に基づき厳正に審査させていただきます」

それから週にわたり、途採用の選考プロセスは淡々とめられました。

広告

おすすめ作品

リンクを共有

以下のリンクをコピーして友達と共有してください: