"犬吠埼に消えた三人" 第4話
犬吠埼の岸から継するリポーターが、寒ので聴者に呼びかけた。
「現には証拠が残されていません。民の皆様からの報が、この事件を解く唯の鍵です」
それでも、決定な通報は来なかった。
世の関は、の泡のようにしずつれていった。
しかし、族にとって事件は終わらなかった。
渡辺順子の夫、正弘は何度も警察署を訪ねた。
「妻の靴の片方でも、何か見つかっていませんか」
そのたびに、斎藤は苦しい顔で首を横に振るしかなかった。
「全力で捜査しています。どうか希望を捨てないでください」
そう言いながらも、斎藤自の胸のでは、事件がこのまま未解決になる能性がきくなっていた。
3を境に、特別捜査本部は縮された。次々に発する別の事件へ員が回され、広かった部には斎藤と古い捜査資料だけが残った。
やがて斎藤も事異で別の部署へ移ることになった。
だが彼は、3の写真が貼られたファイルを放せなかった。
「この事件だけは、必ず真実をらかにします」
遺族のを握り、そう約束した斎藤は、異もを見つけてはファイルをいた。
1996。
1997。
1998。
は残酷に流れた。
渡辺正弘は再婚しなかった。妻がいつか玄関をけて帰ってくるかもしれないという望みを、どこかで捨てきれずにいた。
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森妙子の夫はを畳み、岡田代の夫も活を変えざるを得なかった。
正が来るたび、3つの庭にはたい沈黙が落ちた。
1999から2000、そして2001へ。
銚子の主婦3失踪事件は、世の記憶からほとんど消えていった。
それでも斎藤のから、川信子の青ざめた顔はれなかった。
頼母子講のを尋ねたの震え。
警察から逃げるように伊豆へ移った。
何かをっている。
だが証拠がない。
その事実が、斎藤の胸を8締めつけ続けていた。
20024。
よくれたの、銚子警察署の受付に1の女性が現れた。齢は40代半。顔は悪く、元はさく震えていた。
「1994の銚子の初の失踪事件について、担当の方にどうしてもお話ししたいんです」
連絡を受けた斎藤鉄也は、すぐにロビーへ向かった。
女性を見た瞬、斎藤は記憶を呼び戻した。
佐藤久。
8、頼母子講のを初めて教えてくれた同級だった。
斎藤は彼女を取調へ案内した。部の音が遮られると、久は両を膝ので握りしめ、唇を震わせた。
「お話ししたいんです。8のあの夜、銚子の岸で本当は何があったのか」
斎藤の目が鋭くなった。
「あなたは真実をっていたということですか。あの、現にいたのですか」
久はすぐに首を振った。
「いいえ。私は銚子にはっていません。
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でも、事件の数、川信子さんから話があったんです」
川信子。
その名がた瞬、斎藤の背筋に緊張がった。
久は震える声で続けた。
「信子さんは泣いていました。3と岸で言い争いになって、順子さんを突きばしてしまった。妙子さんと代さんも助けようとして、に落ちたと……そう言ったんです」
斎藤は机のの録音を起した。
「なぜ8、黙っていたのですか」
久は涙をこぼした。
「私まで共犯にされるかもしれないと怖かったんです。信子さんにも、警察には言わないでほしいと頼まれました。でも毎晩、3がにてきて……もう耐えられませんでした」
久の証言によれば、事件の原因は頼母子講の共だった。
5で積みてていた切なを、川信子が夫の事業資として勝に使い込んでいた。で返すと言っても、順子たちは許さなかった。銚子での旅は、その問題に決着をつけるためのでもあった。
斎藤はすぐにいた。
佐藤久に信子へ話をかけさせたが、呼びし音が鳴るだけで応答はなかった。
そのの午、捜査チームは京へ向かった。
午3ちょうど、8にも訪ねた古いマンションの10階の扉のに、斎藤たちはった。インターホンを押すと、しばらくして玄関がいた。
50代半になった川信子が、やつれた顔で現れた。
警察という言葉を聞いた瞬、信子の顔はのようにくなった。
取調で久の証言を突きつけられると、彼女は最初、首を振った。
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