"レモングラスの下の悪臭" 第8話
ただ、確実に追い詰めるには財産が必です」
しばらくして、彼はを止めた。
「見つけました。3かに作成された公正証遺言です」
画面には、義母の名と、相続として裕さんの名が表示されていた。
「商業ビル2棟、、額の預。ほとんどの財産を息子の裕に残す内容です」
3か。義母の記憶力が急激に悪化し、眠るが増え、衰し始めた期だった。
私は震える声で言った。
「憎しみだけが理由じゃなかったんですね」
田弁護士は頷いた。
「理と財産が結びついた、計画な殺未遂事件です」
さらに調べるうち、私は1週に裕さんから「会社の福利の類」として数枚の類に署名させられていたことをいした。
田弁護士が確認すると、そこには私名義の命保険契約があった。受取は裕。額は額だった。
さらに州きの航空券が2枚見つかった。
1枚は裕さん。もう1枚は私の名だった。
私はようやく理解した。彼は義母の財産だけではなく、私の保険まで計算に入れていたのだ。
「じゃあ私は、度も妻ではなかったんですね」
その問いに、誰も答えなかった。
病院へ向かった裕さんは、公記録に義母の名がないことに気づき、警察が到着するに姿を消した。
直、私の携帯にメッセージが届いた。
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写真には、田舎のの縁側に座る私の母が映っていた。顔は青く、目は赤い。その背に裕さんがち、穏やかな笑みを浮かべていた。
次のメッセージにはこうかれていた。
「1で埼玉の古い製薬倉庫に来い。警察に通報すれば、おの母親が先にぬ」
私は携帯を落としそうになった。
田弁護士はすぐに警察と連絡を取り、私にさな録音・追跡装置を渡した。ボタンほどのきさの装置を、シャツの襟の内側に取り付ける。
「あなたは1できます。ただし本当に1ではありません」
女性警察官が静かに言った。
「できるだけ相に話させてください。理由、目、義母さんへの為、あなたへの計画。自を引きす必があります」
健太先輩は私のにしゃがんだ。
「怖がるのは正しい。震えるのも正しい。ただ崩れるな」
私は頷いた。
母を救うために、くしかなかった。
夕暮れの、私はをらせた。古い倉庫帯にづくにつれ、は細くなり、灯もなくなった。がりの空気には、錆と湿ったの匂いが混じっていた。
倉庫は空の奥にあった。壁は汚れ、トタン根は黒く変している。鉄の扉は、黒いのようにしいていた。
私はをり、歩きした。襟元の装置が妙にくじた。
へ入ると、吊るされた球がい黄のを放っていた。
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古い棚、ラベルのない容器、に散らばる薬品の箱。薬品とガソリンの匂いが混ざり、目が痛くなった。
倉庫の央に母がいた。
鉄の柱に縛られ、にはガムテープが貼られている。私を見ると、母の目から涙が溢れた。
駆け寄ろうとした瞬、暗い棚の奥から声がした。
「そこまでだ」
裕さんが歩いてきた。シャツは乱れ、髪は額に落ちている。けれど恐ろしかったのは見ではなく、目だった。穏やかさも優しさもなく、ただ正気のまま壊れたの目をしていた。
「お母さんをして」
私の声は震えていた。
「ったより通りに来たな、さやか」
彼は笑った。
私は田弁護士の言葉をいした。話させる。勝ったとわせる。
「何が望みなの?義母さんではりなかったの?今度は私の母まで」
義母の話がると、彼の顔が張った。
「あの女に同するようなを聞くな」
「佳さんがあなたに何をしたにせよ、あんなに拷問する権利はないはずよ」
彼は声をげて笑った。
「拷問?あの女は僕が殴られるのを見ていた。僕を抱いて何度か泣いただけだ。父親がんだ、あの女は真実をっていながら黙った」
私は息を呑んだ。
「だから薬をませたの?」
彼の目がった。
「薬学を学ぶと、を救う方法だけじゃなく、がどう崩れていくかも分かる。どうすれば、ただ老いてんだように見せられるかもね」
「あなた、狂ってる」
「いや。僕は誰よりも正気だ」
彼は私の周りをゆっくり歩きながら言った。
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