"天井裏の黒いバッグ" 第5話
作業は1階から順にわれ、やがて412、曜の午、305号の番になった。
作業員たちが井を剥がしていると、元の設計図にはない板を発見した。
1が具の柄で軽く叩いた。
は空洞のような音がした。
「ここ、何か入ってるぞ」
作業員たちが慎に板をすと、埃とともに黒いバッグが現れた。
狭い井裏に、7隠されていたものだった。
伊藤はそので作業を止め、すぐに警察へ通報した。
30分、駆けつけた警察官はバッグのを確認し、表を固くした。
財布。
分証。
卒業アルバムの写真。
クレジットカード。
族写真。
分証に記されていた名は、2004に失踪した田美希のものだった。
警察官は直ちに署へ連絡した。
「7の失踪事件に関連する証拠品とわれるものが発見されました。科学捜査班のを請します」
午2頃、捜査班が到着し、305号は封鎖された。井裏の1mほどの空は、為に作られたものだった。建物の元の設計にはしない構造だった。
バッグのには、美希の卒業アルバム、健の免許証、クレジットカード、族写真が入っていた。
夕方、らせを受けたが現へ駆けつけた。
警察から遺品を見せられた瞬、彼はそのに崩れ落ちた。
「違いありません。弟と姪のものです」
は305号の井を見げ、声を押し殺すことができなかった。
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「7も待ったんだ。7、こんなところにあったのか……」
加藤さゆりもすぐに現へ駆けつけた。
7ぶりの決定ながかりだった。
方、鈴太郎は事務所で青ざめた顔をしていた。警察が事を聞くと、らかに揺していた。
「私は何もりません。井にそんなものがあるなんて、りませんでした」
しかし、警察の目はもうたかった。
翌朝、すべての報関がこのニュースをきく報じた。
7の失踪、証拠品を井裏から発見。
京都のホテル改築に衝撃の発見。
事件は再び社会の注目を集めた。
科学捜査の結果、バッグや遺品から採取された指紋とDNAは、田美希と田健のものと致した。疑いの余なく、失踪した族の持ち物だった。
京都府警は専の捜査チームを設置した。
チームのリーダーには、15のキャリアを持つ勇気刑事が任命された。
は7の捜査資料を1つずつ見直した。渡辺刑事が残した膨な記録ので、特に鈴太郎に関する部分に目を留めた。
7も疑われていた。
だが証拠がなかった。
しかし今は違った。
物証がた以、沈黙していたたちの記憶もきす能性があった。
刑事は、7にフロントで働いていた本子を呼びした。
取調に入った本は、子に座るとしばらく両を握りしめていた。
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が静かに尋ねた。
「2004102、田さんを見ましたか」
い沈黙のあと、本はさくをいた。
「見ました」
取調の空気が張り詰めた。
本は震える声で続けた。
「夕方630分頃、男性1と女性2のご族が来ました。社が自ら迎えて、3階へ案内しました」
は線をそらさずに尋ねた。
「なぜ、7黙っていたのですか」
本はうつむいた。
「怖かったんです。社から、絶対に公言するなと言われました。警察に聞かれてもらないふりをしろ。もし話したら、ただでは置かないと脅されました」
本の証言はさらに続いた。
そのの夜8頃、鈴は彼女を呼び、特別な指示をしたという。
「今の305号の客はいなかったことにしろ」
宿泊帳簿から名を消し、誰にも話すなと命令したのだ。
その夜10頃には、鈴が従業員全員を1階に集め、3階へは絶対にがるなと指示した。
翌朝、305号には清掃の札がかかっていた。空になっているはずなのに、数、誰も入ることを許されなかった。1週ほど経ってから、鈴が自ら部を確認し、従業員をづけなかったという。
本の証言に続き、当の夜警備員もをいた。
「その夜11頃、3階からきな音が聞こえました。何かがぶつかる音と、の声でした。見にこうとしたら、社に止められました」
証言はしずつなり、その夜ホテルで起きたことの輪郭が浮かびがっていった。
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