"海底の防水バッグ" 第5話
「『俊助』という、彼女の故郷の友がいました。兄の佐藤健さんの話では、エミさんはこの物を族のようにとても切にしていたそうです」 「2はどういう関係だったんだ?」 「子供の頃から同じ町で育った、幼馴染みのような関係だったそうです。エミさんがフェリーで失踪した当も、彼は鹿児島内にんでいた記録があります」 「そのは、今はどこにいる?」
田刑事が尋ねると、鈴刑事は困惑したように首を横に振った。
「それが、おかしいんです。佐藤エミさんがフェリーから失踪した直、この俊助という物も、鹿児島から跡もなく消えています」 「消えた? いつ頃だ?」 「19885の末でした。周りのの証言では、まるで煙のように蒸発したかのようだったそうです」
田刑事はのでペンを回しながら、く考え込んだ。
「偶然にしては、期がいすぎるな。彼女が消えた直に、最も親しかった男が姿を消すか……」
その、オフィスの静寂を破るように、デスクの固定話がけたたましく鳴り響いた。話にた鈴刑事が、受話器をに当てたまま、田刑事に向かって慌てた様子で激しく招きをした。
「班! 科学警察研究所からです!」
田刑事は素く席をち、鈴から受話器を受け取った。
「はい、田です」 『田班、帳の分析に、驚くべき事実を発見しましたので、すぐにご連絡しました』
受話器の向こうから、科警研の担当者の興奮した声が聞こえる。
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「何ですか? 詳しく教えてください」 『復元されたあの数字の羅列ですが、1980代に州方をに活していた、密輸組織の取引台帳の暗号と完全に致しました』
田刑事は息を呑み、わず席から勢いよくちがった。
「密輸組織……ですか!?」 『はい。当、警察が押収した組織の暗号システムと、の隙もなく完全に致します』
田刑事は受話器を置き、驚いた顔で待っている鈴刑事を向いて、静かに、しかしい声で言った。
「これは、単なる失踪事件ではない能性が非常にくなったぞ。佐藤エミは、密輸組織と繋がっていたかもしれない」
窓のの景を眺めながら、田刑事は胸の騒ぎを覚えた。22のあの夜の真実が、ますます複雑で、危険な様相を呈し始めていた。
翌朝、科警研から追加の鑑定報告がファックスで届いた。田刑事は受話器を取り、メモ用を目のに準備して、担当者の声を聴いた。
「田班、追加で復元された内容があります」 「何だ?」 『帳の記述から、解読された文字列のに「融」という文字がてきました。当の組織の資の流れを理したメモと緒にかれていました』
田刑事のペンが、メモ用ので素くいた。
「融……。わかった、ありがとう」
話を切った田刑事は、すぐに鈴刑事を自席へと呼び寄せた。
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「鈴刑事、『融』という業者の方を調べてくれ。本名は勝(まさる)のはずだ。1980代に鹿児島帯で悪名を馳せた男だ。今はもう引退して、どこかで静かに暮らしているだろう」 「承しました!」
鈴刑事がコンピューターのキーボードを忙しく叩き始める。約1ほど経った頃、鈴刑事が画面を指差した。
「見つけました! 本名・勝。現、福岡の片隅でさな堂を経営しています」
そのの午、福岡の古びたにあるさな定の簾を、田刑事と鈴刑事がくぐった。内の奥の厨に、70代半の柄な体格の男性がっていた。を見透かすようなその鋭いは、かつての業者の面を濃く残していた。
田刑事はカウンター越しにづき、警察帳を提示した。
「勝さんですか?」 「……誰だね?」 「鹿児島警察署のものです。1980代に鹿児島でされていたお仕事について、お話を伺いたいのですが」
の表が、その言葉を聴いた瞬にたく張った。
「あの頃のことは、もうとっくに終わった話じゃないのか」 「たな事件との関連が浮しましてね。ご協力いただければ、話がスムーズにみます」
はい溜め息をつくと、厨のを止め、カウンターの子にどっかりと座った。
「体何がりたいんだ?」 「当活していた、密輸組織の資洗浄のについてお聞きしたい」
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