"家族だけと言われた元日の逆転" 第3話
そして、わざとこちらに聞こえるような声で言い放ったのだ。
「まあ、作りのおせちなんて、今珍しいわねえ。うちは名料亭のおせちを頼んであるから、もうお料理は分なのよ。作りなんて、おく済むでしょうけど変でしょうに」
その言葉には、らかに私たちの庭や作り料理を見し、嘲笑うような響きが含まれていた。私の3の努力とを、まるで価値のないゴミのように扱う言葉だった。は母親の言葉にわせるように、私の持つ箱を、まるでな粗ゴミを見るような目で見ろした。その侮蔑の線が、私のプライドをズタズタに突き刺す。
「申し訳ございませんが、もう料理はりていますので。それに、うちの母が来ているので、余計な気を使わせたくないんです。お義母様がいらっしゃると、母も慮してしまいますから」
つまり、私のそのものがこのには邪魔なのだと、そうはっきりと面と向かって言われているのだ。健吾は顔を真っ赤にしながら、蚊の鳴くようなさな声でつぶやいた。
「ごめん、母さん……また、連絡するから」
その言葉を最に、目ののいドアが静かに、しかし容赦なく閉められた。私たちを完全に拒絶するように、バタンと無に閉まったドアが、私たちと息子族のに、度と超えられない決定な壁を作りげていく。
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私のには、3かけて作りげたおせちの箱が残された。その物理なみが、今は耐え難いほどの屈辱となって、私の両腕にくのしかかる。43、懸命に積みげてきた母としての誇りが、たった言でっ端微に崩れっていくようだった。私の注いできたも努力も、すべてが目ので否定されたような、そんな虚しい気持ちに支配された。
「そう……族だけ、なのね……」
私の声は、抑えきれないりとしみで激しく震えていた。溢れそうになる涙をこらえるのに、私は必だった。こんな奴らの玄関先で、無様に泣き崩れるわけにはいかない。でも、胸の奥底からこみげてくる激しいしみとどす黒いりを、どうしても抑えつけることができなかった。
「礼子、もう帰ろう」
隣でじっと耐えていた正の声にも、りを極限まで抑えたい、をうような響きがあった。夫のきなが、震える私の腕を優しく支えてくれた。
マンションをてへと戻るいのりが、私ののでこれほどく、惨めにじられたことはなかった。おせちを抱えた両は刻みに震え、取りは鉛のようにく、界は涙で完全に滲んでいた。正のれやかで青い空が、今の私たちの境遇に対して、残酷なほどるく、眩しくじられた。
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でも、あの愚かな息子夫婦は、まだ何もらなかったのである。この私が、ただのしい普通の主婦ではないということを。そして、この元の朝に私に与えた致命な周が、彼らのこれからのをきく、破滅へと変える引きになるとは、にもっていなかったでしょう。この受けた屈辱が、やがて彼らにどれほどきな代償となってね返ってくるかを、あの子たちはまだ、何もらなかった。
内に戻ると、そこは苦しい、絶望な沈黙に包まれていた。私の膝のには、無残に拒絶されたおせちの箱が載っている。そこへ、堪えきれなくなった私の目から、粒の粒の涙がポツリと落ちて、漆の蓋を濡らした。もう、を抑えることができなかった。正は運転席からを伸ばし、私の震えるをそっと力く握ってくれた。そののぬくもりが、今は何よりも温かく、嬉しくじられた。
「礼子、あいつらは完全に違っている。おは派な俺の族だ。あのバカどもが何と言おうと、その事実だけは絶対に変わらない」
夫の毅然とした言葉に、私はゆっくりと顔をげた。正の目には、私への同だけでなく、実の息子に対する激しいりとしみが混じっていた。夫も私と同じように、実の息子からく傷つけられていたのだ。
「正さん……もう、いいの。私、決めたわ」
私の声から震えが消えたのを聞いて、正はハッとして私を見つめた。
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