"90件の着信とハワイの海" 第3話
蒼太は良い子でいてね」
蒼太はさく頷きました。この子に罪はありませんけれど、もう私がいなくても丈夫でしょう。
正午になりました。すべての荷物が運びされ、部には何も残っていません。玄関にち、最に2を見つめます。
「それでは、10ありがとうございました。お2の幸せを願っています」
々とをげ、最の言葉を告げました。
「あ、そうそう。これからはすべてお2でやってくださいね。事も育児もお仕事も、お疲れ様にならないように」
その言葉にリホさんの顔が張りました。直哉が慌てて「あの、連絡先は……」と言ってきましたが、私は蹴しました。
「連絡先は必ないでしょう。私たちだけで活したいとおっしゃいましたから」
をると、そこには待していたタクシーがありました。に乗り込む、振り返ると、玄関にち尽くす息子夫婦の姿がありました。その姿をしっかりと目に焼きつけ、「さようなら」と言って私はに乗り込んだのです。
タクシーがりすと、10んだがどんどんさくなっていきました。議と寂しさはありませんでした。むしろが軽くなっていくのをじます。これで自由になれるのです。
数、私は友のにを寄せながらハワイへの最終準備をめていました。そしてそのに、息子夫婦の困窮の噂が聞こえてきたのです。
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朝、弁当を作るがいない。朝の準備もありません。保育園や学の送迎はすべて自分たちでやらなければならず、洗濯物は溜まり放題。掃除もできずは散らかる方です。夕を作るもなくが続き、の費が10万円も増えたそうです。
「もう無理。仕事と事と育児、全部1だなんてできない!」
リホさんの鳴が、共通のを通じて聞こえてきました。直哉も残業続きで伝えまいし、かなり疲弊しているようです。
(お母さんがいたは、こんなに楽だったのに……)
今更ですね、遅すぎます。事代サービスを検討したそうですが、に8万円もかかるとって断したとか。子供の学童や習い事の送迎サービスも3万円の追加費用で、計するとに21万円も支が増えています。
「こんなにおがかかるなんて……」という直哉の嘆きがの頼りで聞こえてきましたが、それは私のったことではありません。私はしいに向けて着々と準備をめ、2週には成田空港からハワイきのに乗る予定でした。そのが来るのが待ちしくてなりませんでした。
青い空、青い、そして何より誰にも縛られない自由な々。私のしいがもうすぐ始まるのです。
2週、私はついにハワイのを踏みました。ホノルル空港にりった瞬、温かいが頬を撫でていきました。
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本とは全く違う柔らかな空気です。呼吸すると、潮のりとの甘いりが混ざって胸いっぱいに広がりました。
「クミさん、こっちよ!」
到着ロビーであき子さんがを振っています。オンラインで何度も話していた方に、ついに会えたのです。け子さん、みよこさんも緒です。3とも本当に楽しそうな笑顔を浮かべています。
「ようこそ、ハワイへ!」
その言葉がに染み渡りました。コンドミニアムの部に案内されると、目のに広がったのは青いでした。ベランダにるとい砂浜が続き、ヤシのがに揺れています。
「ここが、私のしい……」
つぶやくと、あき子さんが優しく肩を叩いてくれました。
「これから毎楽しいわよ!」
部はシンプルで能です。広々としたリビング、清潔なキッチン、そして何よりこのオーシャンビュー。誰にも気を使わない、私だけの空です。荷物を理していると、スマートフォンに本の友からメッセージが届きました。
『クミさん、本当にハワイにったのね!』 『ええ、今到着したところよ』 『羨ましいわ。写真を送って』
ベランダから見える景を撮して送ると、すぐに『素敵すぎる。私も老はそうしたいわ』と返信が来ました。これからどんな活が待っているのでしょう。期待に胸が鳴ります。
翌朝、目が覚めたのは午6でした。
本にいた頃の習慣で体が自然に起きるのです。
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