"臨月サウナ監禁" 第5話
はここまで残酷になれるものなのか。
『体ね……』と義母が吐き捨てるように言葉を続けた。これが彼らの本性だった。
『卒で勤務の貧乏の親からまれたあんたなんかが、元員の夫と名の私からまれたエリートの息子にふさわしいわけないのよ。あんたの体のには底辺の汚い血が流れてるの。そんなお荷物がうちの敷居を跨いでいること自体が、が族への最の侮辱なのよ!』
義父もそれに被せるように鳴りつける。
『その腹ののガキも同じだ! 貧乏の汚れた血を引いたガキなど、がの孫として絶対に認めん! そこでの垂れんで、その忌まわしい血筋ごとこの世から消え失せろ!』
矢継ぎに浴びせられる、私と両親、そしてまだ見ぬが子への凄まじい侮辱の言葉。普通のなら、泣き叫んで反論するか、許しを乞うだろう。しかし私は違った。極限の恐怖とりを超えた、のは奇妙なほどえ切るのだ。に蹲ったまま、切の言葉を発するのをやめた。い、静かな沈黙が、暗いサウナを満たしていく。
『おい、どうした? 泣き叫ぶ気力もなくなったか? ふん、所詮はその程度の脳しかない猿なのよ。ああ、そうそう……』
義父の声が、さらに酷さを増した。
『あんたのスマホから、匠宛てにLINEを送っておいたわ。
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「あなたとの活に疲れました。別の男のところへきます。探さないでね」と。匠はすっかり信じ込んで、ひどく落ち込んでいたぞ。これでおがここでミイラになって発見されても、「倫の末に狂って自分でサウナに引きこもってんだれな女」として処理される。完璧なシナリオだろう? わっははは!』
彼らは私を社会に抹殺し、そので物理にも消しるつもりなのだ。通り言いたいことを言って満したのか、義父は酷な声でこう告げた。
『せいぜいそこで自分の惨めなを呪いながらんでいくんだな。度と通信は繋がんぞ。じゃあな、うじ虫女』
プツン、という無質な子音と共に、スピーカーのランプが完全に消灯した。再び、完全な静寂と暗が私を包み込む。唯の希望だった通信段は、彼らの悪質な娯楽のために使われ、そして永に断たれてしまった。
「絶対に許さない……」
私は暗ので、血が滲むほどく唇を噛み締めた。どんなを使ってでもき延びて、あいつらを獄の底に引きずりろしてやる。そう決した瞬だった。
バシャッ。
元にかいのようなものが広がる覚があった。陣痛とは違う、理な現象。違いない、破だ。まだ予定にはすぎる、滴なく、空気もれ始めている密閉されたサウナ。
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最悪の環境で、いよいよ産が本格に始まろうとしていた。
かい覚が元に広がり、サウナ特の檜のりと混ざりっていく。
(嘘でしょう、こんなところで……)
陣痛の覚は容赦なくくなっていた。波のように押し寄せる激痛に、私はお腹を抱えながら暗いサウナのを転げ回った。
「うあ……っ、ふぅ、ふぅ……」
呼吸法で痛みを逃そうとするが、それすらも命取りになりかねない状況だった。源が切られているとはいえ、ここは換気扇の回っていない完全な密閉空だ。呼吸を荒げるたびに、限りある酸素が目に見えてくなっていくのが分かる。息苦しさが、陣痛の苦しみに拍をかけていた。
さらに悪いことに、極度のストレスと発汗によって、脱症状が始まりかけていた。のはカラカラに乾き、喉が焼けつくように痛い。はガンガンと割れるように痛み、界がチカチカと点滅を始めている。
「けて……誰かお願いだから……」
私はいつくばりながら、サウナストーンにをかけるための製の柄杓を握りしめた。残された最の力を振り絞り、分い耐ガラスの窓に何度も叩きつける。だが、鈍い音が響くだけで、特注の化ガラスにはヒビつ入らない。
「ああ……っ」
から柄杓が滑り落ち、私は力尽きて再びにうずくまった。
のに、義両親の笑う声が霊する。
『おがここでミイラになって発見されても、狂ってんだれな女として処理される。
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