"壁の中の妻" 第17話
それから3が経過した、2019ののことだった。健は物の定期健康診断を受け、医師から診察に呼びされた。医師はレントゲン写真を指差しながら、刻な表で告げた。
「田さん、肺のレントゲンに、非常にきなが見つかりました。詳しい検査の結果、性の肺癌です。すでにの臓器にも転移しており、かなりした状態です」
健はその宣告を、驚くほど淡々とした表で受け入れた。
「そうですか……。先、治療は結構です。私は、もうくべきが来たのですから」
健は静かにをげて診察をると、に帰り、子の写真のにゆっくりと腰掛けた。彼は写真のの妻の笑顔を見つめながら、穏やかに微笑んだ。
「子、俺ももうすぐ、おのところへくことになりそうだ。14も待たせてしまったね。もうしだけ、待っていてくれ」
2020の、健の病状は急激に悪化し、松本内の病院の緩ケア病棟へと入院した。彼の識がれかけたあるの朝、病の窓から朝のが差し込む、健は静かに最の息を引き取った。享74歳だった。彼の固く握られたのには、子のさな写真がしっかりと握りしめられていた。そのき顔は、驚くほど穏やかで、らかなものだった。
健のの遺言通り、彼の遺骨は子が眠るあの霊園の納骨堂へと運ばれた。
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納骨堂の同じ棚の、すぐ隣のスペースに、2のい骨壺が並んで静かに置かれた。14というあまりにもく、残酷な歳を経て、夫婦はついに、永の再会を果たしたのである。
このあまりにも衝撃な事件の結末は、私たちにいくつかのな真実を静かに語りかけている。
第1に、どんなに建築の技術を尽くし、完璧に隠蔽したと確信した罪であっても、結局はいつか必ずのに見するということである。本輔は10、完璧にその秘密の壁を維持し続けたが、リフォーム事という偶然のハンマーの撃によって、真実は無残に暴かれた。
第2に、の良の呵責というものは、法律の裁きよりもく、確実に犯の精神を内部から徹底に破壊するということである。本は表向きは平凡で親切な友を装っていたが、その内面では毎、被害者の覚と悪に怯え、獄のような精神苦痛をわいながら癌に倒れた。
第3に、どれほど絶望な状況であっても、決して諦めないことの性である。夫の健は10、周囲からどれほど諭されても妻を探し続け、毎警察署へ通い続けた。きて妻に再会することは叶わなかったが、彼は諦めなかったからこそ、最終に妻の遺骨を見つけし、真実をることができた。
そして第4に、真実のというものは、や空、そしてという絶対な分断をも超越するということである。
2の遺骨は今、暗い壁の向こうではなく、の差し込む美しい霊園で、永に共に並んでいる。
どれほどいをかけて罪を隠そうとも、真実は結局、いつか必ず固な壁をも突き破ってへとてくる。それが10かかろうと、100かかろうと、正義の審判は遅れても必ずやってくるのである。そして、するを失い、暗のにいるすべての々へ。どうか、真実を求めることを諦めないでほしい。田子さんのご冥福をよりお祈り申しげます。そして、妻をし続けた夫の田健さんもまた、これからは最の妻のすぐそばで、何にも脅かされることなく、らかに眠り続けることを切に願います。
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