"母は沖縄へ消えた" 第6話
ビデオ通話が繋がると、画面に映しされた拓也の顔は、たった1週とはえないほど激しくやつれ果てていた。
「……母さん」 「こんにちは、拓也。私はしい活にすっかり慣れましたよ」
私のろに広がる美しい沖縄のと青空を見て、拓也は目を見いた。
「母さん、そこ……沖縄なのか?」 「ええ、移しました。が見えるとても適なマンションですよ」 「そんな、くに……」
画面の端から、りさんも転がり込むように映り込んできた。彼女の目のには真っ黒なクマができており、髪もボサボサだった。
「お母さん、お願いです! 援助を再してください! お願いします!」
りさんは画面越しに、半狂乱になって懇願してきた。私は淡に首を振った。
「無理ですね」 「どうしてですか!?」 「だって、私はもう『の』でしょう? あなたたちがそう言ったのです。それより、りさんのご両親との同居はうまくいっていますか?」
私の問いかけに、2は瞬で言葉を詰まらせ、沈黙した。拓也が消え入りそうな声で、ポツリポツリと状し始めた。
「……りの両親、ったより全然元気じゃなくてさ。事も切伝ってくれないし、逆に俺たちが介護みたいに世話を焼かなきゃいけなくて。りも仕事で疲れてるから、母さんみたいに毎ご飯を作れるがいなくて……。結局、毎4分のとか惣菜ばかりで、おが信じられないくらいかかって……」
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「それは変ですね」
私は同するような声を装ったが、のでは「当然の報いだ」とややかにあざ笑っていた。
「母さん、お願いだから戻ってきてくれないか? 頼むよ!」 「無理です。もうこちらでの活が始まっていますから。それに、私の部はもうないのでしょう? りさんのご両親が使っているのですから」 「部なら、何とかして用するから! だから……!」
画面の向こうで、りさんがついに顔を覆って泣き始めた。
「お母さん、ごめんなさい……! 私たちが違っていました、私たちが悪かったんです……!」 「今更そんなことを言われても、私はもうあなたたちを信用できません」 「ローンが……のローンが払えなくなりそうなんだ……」
拓也がを抱え、絞りすような声で絶望をにした。
「母さんの毎の援助と、あの定期預がないと、本当に活が破綻するんだよ……!」 「それなら、お仕事を今よりもっと頑張るか、同居しているりさんのご両親に銭援助をしてもらえばいいのでは?」 「りの両親もただの活で、援助どころか、逆に毎遣いをせがまれてるんだよ! もう限界なんだ!」
本当に、何ということだろう。私を追いしてまで迎え入れた両親が、援助どころか、ただの荷になっているというのだ。
「お母さん、おを貸してください! しでいいんです、お願いします!」
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りさんが画面に顔をづけ、必に懇願する。
「お? 私にはもう、あなたたちに渡せるおはありませんよ」 「嘘です! あの定期預を解約したおがあるはずです!」 「ああ、あれはすべて、この沖縄の居の購入資と、これからの私の活資に充てました。もう1円も残っていません」
もちろん、これは嘘だった。私の資産は、員代の識を活かして今も堅実に運用されており、これからの老を優雅に過ごすには分すぎるほど残っている。
「そんな……」
2は絶望したように崩れ落ちた。
「拓也、私はもう、あののではありません。あなたたちが言った通り、族ではないのです。もう度と、私に連絡してこないでください。お元気で」
「待って、母さん! お願いだから……!」
2の必な叫び声を最に、私は酷に通話終のボタンを押した。
そのも、スマートフォンには何度も着信があり、LINEには「おを貸してください」「助けてください」というメッセージがのように届いたが、私はすべて既読すらつけずにブロックした。に京の友から聞いた話では、息子夫婦は本当に経済に困窮し、私の退職でをしたあのマイホームを、ついに売りにしたということだった。義理の両親との関係も最悪になり、毎喧嘩ばかりしているという。
私を邪魔者扱いし、追いした報いが、これほどく返ってくるとは。
まさに因果応報だった。
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