"妻のポーチから見つかった結婚指輪" 第5話
午の仕事の記憶がまったくない、定になると逃げるように会社をた。
弓は今同僚と事してから帰ると言っていた。私にはやるべき確認作業が残っている。
自宅に戻り、静まり返ったリビングの照をつけ、まっすぐ寝のクローゼットへ向かう。もし田名義の通帳が本物なら、私が保管している本来の老資通帳はどうなっている?確かめなければならない。
の類と通帳はクローゼット奥の型庫に保管してあり、暗証番号は娘の奈緒の誕だ。庫をけ、夫婦共財産、私名義の通帳を取りす。
震えるでページをめくる、最の記帳はヶ。残欄には確かに 2150 万円と印刷されていた。瞬堵したのも束の、猛烈な違に襲われる。
この通帳の残と昨夜見た田弓の通帳が、1 円まで完全に同じなのだ。こんな偶然があるはずがない。
急いでパソコンを起しネットバンキングをく。弓に任せきりでログインしていなかった ID とパスワードを帳から探し入力する。画面が切り替わり、現の本当の座残が表示された。
画面の数字を見て呼吸が止まりそうになる。現残:4 万 5000 円。
2150 万円が跡形もなく消えっていた。元にあるこの通帳は、数ヶ弓が用した偽のダミー通帳に違いない。
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よく見れば印刷に自然な歪みがあり、偽造の痕跡がくっきり残っている。
彼女は数ヶしずつ、最に気に私の座から裏の田名義座へ全額送していたのだ。
崩れ落ちるように子に座り込む、が割れるように激しく痛む。妻の甘い嘘、親友の腹黒い笑い、奪いられた私ののすべて。
その元に何かが落ちているのに気づく。庫から類を取りす際に挟まっていたものが滑り落ちたようだ。さく折り畳まれた枚のレシート。
何気なく拾って広げ、印刷文字を見た瞬、全の血が逆流し背筋が凍りつく。
レシートの発は、弓が阪張だと言っていた付だ。だが名は阪ではない、都内屈指の級ホテル内フレンチレストラン。
何より私を絶望させたのは額部の宛名欄。折り畳まれたレシートにはっきり印刷されていた文字:田健様。
そのの備考欄を見て自分の目を疑う。「ご婚約お祝い 特別ディナーコース」
阪に張しているはずの妻は、当夜、都内級ホテルのフレンチで私の親友・健と婚約祝いのディナーをべていたのだ。
だが、これだけでは私を獄に突き落とすにはりなかった。レシート番の支払方法欄には「クレジットカード払い」、カード名義欄には私の名が印刷されていた。
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私が妻に渡している族カードだ。引き落とし座は私の毎料が振り込まれるメイン。
妻は私が汗流して稼いだで、私の親友との婚約祝い級ディナーを楽しみ、さらにこのレシートを、私が厳に管理している庫の偽通帳と緒に保管していた。
正確には保管しようとして、財布からうっかり落としただけだろう。私を完全に馬鹿にしきっている証拠だ。私が庫の通帳偽造に気づくはずがないとを括っていたのだ。
ののレシートをく握り締め、震えながら息を吐きす。モニター画面に残酷な数字が輝き続ける、現残 4 万 5000 円。
消えた 2150 万円。このがどれほどいを持つか、弓がらないはずはない。私は決して取りではない、毎昼はワンコインのい定で済ませ……
毎百円の弁当で昼を済ませ、付きいのみ会も回に回は断り、擦り切れた革靴を何度も修理してやり過ごし続けた。も所せず、休は所の公園で娘と遊ぶだけで満していた。
全ては族の未来のためだった。娘の奈緒の学費を払い終え残ったこの千百万円は、私たち夫婦の老のであり、そして何より施設に入っている私の母の介護のための命綱でもあったのだ。
母の認症はしずつしており、今はまだ方の比較い施設でお世話になっているが、いずれはい介護が必な施設に移らなければならない。
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