"最後の夜の写真" 第4話
真実は、その静けさの向こう側で、固くを閉ざしたままだった。
季節は巡り、鎌倉の陽は3度のを咲かせてはそのを失った。
世の関とは、かくも移ろいやすいものか。あれほど連メディアを賑わせた、京都の学4失踪事件は、いつしか々の記憶の片隅へと追いやられ、その代わりに、しくもっと刺激な事件が面を埋めるようになっていた。
そして2016、事件から丸3が経過したある、族は警察署のに呼びされた。
テーブルを挟んで向かいに座ったのは、ベテラン刑事のだった。3よりもその顔に刻まれたシワはく、髪も増えているように見えた。彼は並べられた類から目をげることなく、々しくをいた。
「誠に申し訳ありません。本をもちまして、本件の捜査本部を解散することになりました」
その言葉は、静かな部にしん、とく響いた。解散。それは事実の、捜査の打ち切りをしていた。これ以のたながかりは見込めず、原因の失踪事件として、分いファイルのに埋もれてしまうということだ。
母親たちのか細い咽び泣きが漏れる。父親たちは固く拳を握りしめ、唇を噛んでいた。3というは、絶望に慣れるにはすぎ、しかし、希望を持ち続けるにはあまりにもすぎた。
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「々の力です。本当に、申し訳ない……」
はそう言うと、子からちがり、くくをげた。彼の肩が、悔しさでかすかに震えているのが分かった。刑事として、1のとして、若い4つの未来をから救いせなかった無力が、その背から滲みていた。しかし、どんな謝罪の言葉も、傷ついた族のを慰めることはできない。1つの代が、ここで静かに幕をろした。
だが、1だけ、諦めることをらない男がいた。田浩司の父親、正雄だった。
元々数がなく、をあまり表にさない彼だったが、その胸のうちには、鋼のような固い志が宿っていた。息子がいないなど考えられない。正雄は、警察が見放したのなら自分ので探しすまでだと、静かに決していた。
彼は退職を切り崩し、数百万というを投じて、京のベテラン私探偵を雇った。藁にもすがるいだった。探偵は、警察とは違う点から事件を洗い直し始めた。3の資料を1枚1枚めくり、関係者の話を改めて聞き直す。その執い調査ので、やがて1つの、これまで見過ごされてきた事実が浮かびがってきた。
それは、健の携帯話に残されていた、本の未送信メッセージだった。
事件、警察が彼の携帯の通信記録を解析した際、送信履歴には残っていなかったため、されていなかったデータ。
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探偵はデータ復旧の専業者に依頼し、その消された断片を蘇らせることに成功したのだ。探偵が正雄のに、1枚の報告を差しした。
そこに印字されたい文章を見て、正雄は息を呑んだ。 『らないがいて、今』
メッセージはそこで唐突に途切れていた。まるで何かをきっかけに、入力を断せざるを得なかったかのように。このい言葉の断片は、無限の憶測を掻きてた。「らない」それは体誰なのか。そして「今」の、彼は何を伝えようとしていたのか。その先に続くはずだった言葉は、のに完全に溶けてしまっていた。
探偵は、もう1枚の写真を机に取りした。それは彼が独自にに入れたもので、4がまだだった頃、文化祭のに教で撮られたスナップ写真だった。
浩司が健の肩を組み、満面の笑みを浮かべている。そのろで、子と絵美が楽しそうにピースをしていた。その褪せた写真を見つめる正雄の目から、筋の涙が静かにこぼれ落ちた。楽しそうな息子の笑顔が、ナイフのように胸に突き刺さる。
警察がり、世が忘れても、父親の執だけが、このさな、しかし決定な希望の糸を、暗の底から繰り寄せたのだった。は止まったままだったが、かすかなが、どこかから吹き込んできたような気がした。
は流れ、20203。かつて本を揺るがした学4の失踪事件は、もはや過の記録のに埋もれた、忘れられた物語となっていた。
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