"鬼母の末路" 第4話
「はいはい、こんな夜更けにどなた?」
スピーカー越しに聞こえてきたのは、呑気で延びした母親、義子の声だった。
「俺だ。だ。けてくれ」
「え、? ちょっと待って。今けるわ」
バタバタという音が響き、玄関のなドアがく。
「まあ、じゃないの。来帰ってくるって言ってたのに、どうして急に」
満面の笑みで迎えた母親の姿を見て、俺はわず吐き気を覚えた。
ふっくらとして艶々とした頬。
美容へったばかりのように綺麗にセットされた髪。
そして真だというのにのシルクのカーディガンを羽織り、首元には見慣れない粒の真珠のネックレスがっていた。
つい、骨と皮になって震えていた妻と娘の姿が脳裏をよぎり、俺は奥歯が砕けそうなほどく噛みしめた。
「随分といいご分だな、お袋」
「ええ? 何をってるのよ。せっかくい息子が帰ってきたのに」
「さあさあ、がって。今、本当に美しいお茶を入れるから」
俺の険しい表にも気づかず、母親はウキウキとした取りでリビングへと俺を招き入れた。
がガンガンに効いた内は、半袖でも過ごせそうなほど蒸し暑かった。
そしてリビングにを踏み入れた俺の目にび込んできたのは、度肝を抜かれるような異様な景だった。
以は古びた布製のソファしかなかった部に、何万、いや百万円はくだらないであろう本革の級ソファが鎮座している。
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壁には見たこともないインチの巨な最テレビ。
さらに部の隅には、名ブランドの袋が無造作にいくつも積みげられていた。
暮らしのはずの母親が、到底買えるはずのない代物ばかりだ。
「お袋。この部のもの、どうしたんだ? その首のネックレスも、そのも」
俺がくたい声で問い詰めると、母親は急にお茶を入れるを止め、わざとらしくため息をついた。
「なんだい、その言い方は。久しぶりに帰ってきた母親に向かって、まるで棒でも見るような目で」
「棒だろうが」
俺の声が、広々としたリビングにビリビリと響き渡った。
母親はビクッと肩を震わせ、目を丸くして俺を見た。
「真由のところへってきた。気が止まり、もない真っ暗な部で、あのが何をべていたかっているか?」
俺が歩づくと、母親はずさりした。
「お湯ご飯だよ。お湯をかけただけの飯をってたんだ。俺が毎送っていた万はどうした? なんでお袋の座に全額自送されてるんだ」
激しいりに任せて鳴りつける俺に対し、母親は瞬だけ焦ったような顔を見せた。
だが、すぐにこほんと咳払いをして、すっと表を戻した。
そして悪びれる様子もなく、呆れたようにで笑ったのだ。
「なんだ。あの子、あんたにチクったのね。
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本当に来の悪い嫁だこと。私がの邪魔をするなって、あんなにきつく言っておいたのに」
「……なんだと」
「あんたね、あんな遣いの荒い女に毎万も渡すなんて、正気の汰じゃないわよ。もしそのまま預けていたら、今頃あんたの稼いだおは、あの子の遊び代や無駄なブランドに消えていたわ。だから私が代わりに計をしっかり管理してあげてたんじゃない。謝こそされ、られる筋いなんてないわ」
堂々と言い放つ母親の顔には、罪悪のかけらすら見当たらなかった。
自分のやっていることが百パーセント正しいと信じ込んでいる。
醜い優越だけが、そこにあった。
俺はぎりっと拳を握りしめ、部の隅に積まれたブランドの袋を指さした。
「無駄なブランドだと? じゃあ、あれはなんだ? あの見慣れない級ソファは? お袋が着ているそのは、体誰ので買ったんだ?」
俺の追及に対し、母親はふいっと線をそらし、憎たらしいほど落ち着き払った声で言った。
「族なんだからいいじゃない。母親が息子のを使ったからって、警察に捕まるわけでもなし。それに、嫁なんかにあんな、必ないでしょう」
その言葉を聞いた瞬、俺ので張り詰めていた理性という名の糸が、ぷつんと音をてて切れた。
「嫁なんかに、だと……? 真由は俺の妻だ。
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