"父の残した翼" 第3話
子での移、事の介助、入浴、そして夜のトイレ。介護は像以に過酷だった。
母は私にまで迷惑をかけて申し訳ないと、何度も何度も謝った。
その言葉を聞くたびに私は「迷惑だなんてってないよ。私がお母さんを支えるから」と笑顔で答えたけれど、1 になると言いようのない孤独に襲われた。
友達からの誘いも全て断るようになった。私の世界はこののだけになった。
もう恋も結婚も私には縁のないものだ。これからのは母のためにきよう。に誓っていた。
そんな私のに直さんが現れたのは、母が倒れてから半が過ぎた頃だった。
学代の友かおりが「どうしても会ってほしいがいるの」と半ば引にセッティングした事の席だった。
「ごめんなさい。今の私に誰かとお付きいする余裕なんてないの」
最初はきっぱりと断った。
しかしかおりは「1 度会うだけでいいから、絶対にゆみさんの力になってくれるだから」と引きがらなかった。
しぶしぶ向かったレストランに直さんはいた。
写真で見た通りの誠実そうなだった。派さはないけれど、落ち着いた物腰と優しい差しが印象だった。
彼は私の庭の事をかおりから全て聞いていた。
普通なら初対面の相にい介護の話などしたくないけれど、直さんは違った。
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「お辛かったですね。ゆみさん、おでずっと頑張ってこられたんですね」
彼は同でもなく興本でもなく、ただ静かに私の苦労を労ってくれた。
その言で私のの壁がしだけ溶けていくのが分かった。
彼もまた数にご両親を相次いでなくし、涯孤独のだと話してくれた。
だからこそ族を失う辛さや、支えうことの切さがにしみてわかるという。
そのを境に直さんは頻繁にがを尋ねてくれるようになった。
最初は戸惑っていた母も、彼の飾らない柄にしずつをいていった。
「ゆみ、直さんは本当に優しい方ね。あの方と話しているとお父さんをいすわ」
母がそう言って微笑んだ、私も同じことをじていた。
直さんは週末になると、母が好きな演芸の話に付きってくれたり、私が苦な曜を黙々とこなしてくれたりした。
子の母を軽々と抱きげて縁側に連れてっては、季節のを緒に眺めてくれた。
その姿を見ていると、まるで昔からこのにいた族のようにえた。
彼がプロポーズしてくれたのは、会って 3 ヶが経った桜が満の季節だった。
所の公園で、子の母の隣に座り、私のを取って彼は言った。
「ゆみさん、僕と結婚してください。僕ではくなったお父様の代わりにはなれないかもしれない。
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でもこれからは僕がゆみさんと母さんを 2 まとめて幸せにします。こので 3 でしい族になりたいんです」
その言葉は、父を失い未来への希望を見失いかけていた私のを温かく照らしてくれた。
母は麻痺の残るで目元を覆い、静かに泣いていた。
それはしみの涙ではなく、娘の幸せをぶ温かい涙だった。
私はこのとなら丈夫だとった。
このとなら母の介護をしながらでもきっと幸せな庭を築ける。
直さんは父が私に残してくれた最のプレゼントなのだと、本気でそう信じていた。
結婚式の準備も彼は率先してめてくれた。母の体調を最優先に考え、無理のないスケジュールを組んでくれた。
結婚指輪を選びにった、彼は言った。
「ゆみのは介護でし荒れてしまったかもしれない。でも僕にとってはこの世で番美しいだよ。こので僕と母さんを支えてくれているんだから」
そう言って彼は私の指にそっと指輪をはめてくれた。嬉しくて涙が止まらなかった。
それなのになぜこんなことになってしまったのだろう。
結婚してたったの 1 週、あの優しかった夫はどこへってしまったのか。
毎晩母の部から汗だくでてくる夫。
何かに怯えるような母、腕にあった痛々しいあざ。
そして内側からかけられた鍵と、ドアの隙から聞こえる押し殺したような声。
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