"中卒の兄、結婚式で覚醒す" 第8話
その声には必に抑え込もうとしている激しいりが混じっていた。
いくらなんでも兄に対するその態度は許せない。座りなさい。
その優馬の言葉を遮るように、会にもうつの声が響き渡った。
敬だった。
敬は慌てて席をつと、まるで暴しようとする弟を牽制するかのようにメインテーブルと親族席のにを乗りした。
そしてこれ以ないほどく、に顔がつくのではないかという勢いでをげたのだ。
義父様、申し訳ありません。弟はし酔っているようです。どうかどうかお許しください。
兄ちゃん。なんで兄ちゃんが謝るんだよ。おは黙ってろ。
敬はかつてないほど鋭い声で鳴りつけた。
優馬はびくっと肩を震わせ言葉を失った。
兄からあんなにもく叱られたのは、医学部の受験から逃げそうとしたあの夜以来だった。
義父様のおっしゃる通りです。
敬はをげたまま、会全体に響くようにはっきりとにした。
私は卒でまともな職にも就けず、その暮らしでまみれになってきてきた来損ないのです。
名な皆様が集まるこのに私のような底辺のがいること自体が違いなのです。
ないをさせてしまい本当に申し訳ありません。
自分自をの底まで貶める言葉。
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それを聞いた瞬、会のあちこちからあからさまな蔑みのため息とひそひそ声が漏れ始めた。
まあご自分で底辺だなんて。やっぱりあんな柄のと親戚になるなんて院先もご苦労なさるわね。
あの兄、将来おに困ったら優馬先や院先に無してくるんじゃないかしら。
ええ、関わらない方がいいわ。銭目当てにつきまとわれたらたまらないもの。
ない言葉の棘が次々と敬に突き刺さる。
エリートたちによる同調圧力は残酷だった。
彼らは自分たちとは違う異物を見つけたことで結束し、敬を徹底に排除すべきとして見し始めたのだ。
はっは。いいや、皆様聞きになりましたかな?
義父は勝ち誇ったように笑いし、グラスののシャンパンをぐいっとみ干した。
本がこうして認めているんです。全く、いくら優秀な弟を持ったとはいえ、これでは先がいやられる。
優馬君との結婚の条件に、この兄とは切の縁を切ることとかせておくべきだったかもしれませんな。
その言葉に義父の取り巻きの医師たちも「全くその通りだ、おっしゃる通り」と同調した。
隣の席で叔父が「ふざけやがって」と涙を浮かべたが、敬はぴくりともかなかった。
そうだ、それでいい。
敬はをげたままのでくじていた。
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自分がどれだけバカにされようが、どれだけ惨めなピエロになろうが構わない。
自分が全ての悪をに受け、「縁を切るべき厄介者」というレッテルを貼られれば優馬のは守られる。
自分が完全に追い込まれ、にまみれればまみれるほど弟の未来は全になるのだと敬は信じて疑わなかった。
義父様、ごください。
敬はゆっくりと顔をげ、媚びるような笑みを顔に貼り付けた。
私は弟のを引っ張るような真似は決してしません。
今を最に私が優馬のに姿を表すことは度とありませんから、どうか弟とさんを見捨てないでやってください。お願いします。
その言葉はまるで自分から族との決別を宣言するようなものだった。
兄ちゃん、嘘だろ。
メインテーブルでち尽くす優馬のから絶望に満ちた声が漏れた。
兄は本気だ。
本気で自分を守るために、自分自の尊厳だけでなくこれからの兄弟としての繋がりまで絶ち切ろうとしている。
度と姿を表さない。
義父は満げに顎をさすった。
まあそこまで言うなら信じてやってもいいでしょう。
あなたのような底辺のがが族の輝かしい未来にを挟むことなど到底許されることではありませんからね。
の程をわきまえている点は評価してあげましょう。
義父はまるで汚いものを見るような目で敬をで笑い、踵を返してメインテーブルへと戻ろうとした。
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