"画面の中の失踪少年" 第6話
くなる直、文子は由美のを握り、々しい声で呟いた。
「奏太に会いたい」
その言葉は、由美のにく残った。
文子のは、族にとってきな節目だった。最まで希望をにし続けたがいなくなったことで、のの空気はさらにくなった。
2012、弘と由美は婚した。
嫌いになったわけではない。互いを責めったわけでもない。ただ、同じで同じ喪失を抱え続けることに疲れてしまった。弘は仙台をれ、いアパートで1暮らしを始めた。由美はに残り、奏太の部を守り続けた。
婚も、2は完全に関係を断ったわけではなかった。612がづくと連絡を取りい、を供え、かつての族の記憶を共した。
だが普段は、それぞれの活ので孤独に過と向きった。
由美はやがてSNSを使い、報提供を呼びかけるようになった。全国で族を探し続けるたちとつながり、投稿を続けた。
「息子を探しています」
「どんなさな報でも構いません」
そうくたびに、のどこかで返事を待った。だが届く報のくは、違いか、悪ある噂だった。それでもやめられなかった。やめてしまえば、奏太のを自分ので消してしまうようにえたからだった。
2010代半になると、由美の体調は悪化した。記憶の混乱が増え、医師から初期の認症と診断された。
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やがて介護施設で暮らすことになった。
それでも折、彼女は職員にこう言った。
「奏太が、もうすぐ帰ってくるの」
によっては、事件が昨のことのようにえることもあった。現実と記憶の境は曖昧になったが、息子を待つ気持ちだけは消えなかった。
弘もまた、孤独のでをねていた。酒をやめ、体をて直そうとしたものの、のには常に空があった。
そして2021。
世界が染症によって閉ざされ、々が画面を通してつながるようになった。
25止まっていたが、オンライン会議のさな画面から、再びき始めようとしていた。
オンライン会議の翌、川健はほとんど眠れないまま朝を迎えた。
斎の机には、会議に撮った介の画像が並んでいた。川はそれらを1枚ずつき、古いニュース記事に残る奏太の写真と見比べた。幼い顔とになった顔。の隔たりはきい。それでも、痕の位置、眉の傷、目の形、輪郭の線が、どうしても致して見えた。
川はめたコーヒーにを伸ばし、に含まずにまた置いた。
もし違いだったら。
その考えが何度もをよぎった。
は会社の社員だ。静かで真面目に働く1のだ。社のい込みで彼のを揺るがしていいはずがない。さらに、25苦しんできたに違った希望を与えることになれば、それは取り返しのつかない残酷さになる。
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それでも川は、見なかったことにはできなかった。
彼には、学代の友で警察庁に勤務するがいた。く連絡を取っていなかったが、信頼できる物だった。
川は何度も文面をき直した。
「奇妙な相談で申し訳ない」
「確証はない」
「だが、25に仙台で失踪したが、自分の会社の社員としてしているかもしれない」
送信ボタンを押すまでに、いがかかった。
返事はそののうちに来た。
「軽い話ではない。画像と分かる範囲の報を送ってほしい」
川は保したスクリーンショットと、社内で把握しているの基本報を、慎にまとめて送った。もちろん、社内の報管理に関わるため、正式な続きが必になることも分かっていた。しかし最初の段階では、事実確認が何よりだった。
警察関係者は、最初から慎だった。
まず、25の奏太の写真、齢変化を推定した成写真、介の現の画像が顔認証システムにかけられた。複数の角度から照がわれ、別のシステムでも確認された。
結果は、い致率を示した。
偶然とは考えにくい。
その報告を受けた、川は子に座ったまましばらくけなかった。
次に必なのは、DNAによる裏付けだった。
当、企業では染症対策や健康管理のため、社員に検査キットを配布することがあった。
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