"半月傷の弟" 第7話
森田優であるという事実が確定したとしても、18歳以の記憶が戻るわけではない。
両親とのいも、代の来事も、空のままだ。
名が戻っても、過が戻る保証はない。
敬吾は類を受け取った、淡々と次の段階について説した。
戸籍の訂正続き。
民票の変更。
各記録の修正。
法にはがかかるが、めれば確実にうという。
敬吾はを抑えながらも、弟が法に戻ることを急いでいた。
23、類はしない弟だった。
今回の結果は、それを修正する会でもあった。
蒼太は、自分が蒼太ではなくなるという現実を、すぐには受け止めきれなかった。
会社を倒産させたのも、蒼太としてだった。
族と距を置かれたのも、蒼太としてだった。
タクシーで活し、泊を続けていた3ヶも、蒼太としてのだった。
それが仮の名だったとしても、そこで経験した責任や失敗は消えない。
森田優という名に戻ったとしても、その事実は引き継がれる。
敬吾は相続についても触れた。
両親がくなった際、財産は法に敬吾が引き継いだ。
しかし本来は、兄弟で分けられるはずのものだった。
優が扱いにならなかったため、正式な相続分割は曖昧なまま残されていた部分があるという。
「優がきている以、本来の取り分を渡すのが当然だ」
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敬吾はそう言った。
義務というより、父母のに沿う為だと説した。
蒼太は即座に受け取るを示せなかった。
23、誰にも頼らずにきてきたという自負があった。
建設現で働き、独し、会社を築いた。
倒産したという結果はあるが、それでも自分のでってきた覚は消えない。
突然現れた兄から財産を受け取ることに、どこか抵抗があった。
敬吾はその抵抗を理解しながらも、譲らなかった。
「これは施しではない。族の財産を、本来の持ち主に戻すだけだ」
敬吾は静かに言った。
「23、弟がいないという提で会社を拡し、資産を守ってきた。でも、それはな状態に過ぎない。優がきている以、半分は弟のものだ」
蒼太は、自分が支えられる側になることに慣れていないのだと自覚した。
事故も、福祉制度を最限利用したが、能な限り自を選んできた。
結婚も、族を支える側だった。
倒産、初めて支援を受けるになったが、それもなものだとっていた。
けれど、森田として戻るということは、経済にも族の員として位置づけられることをしていた。
敬吾は言った。
「受け取るべきものを受け取らないことは、父と母のを否定することにもなる」
父母は2の息子に同じように未来を用するつもりだった。
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優が事故で姿を消しただけで、そのが消えるわけではない。
敬吾はそれを守る責任があるとじていた。
続きは淡々とんだ。
戸籍訂正の申してがわれ、民票の氏名変更が準備された。
座の名義変更。
保険の更。
運転免許証の記載修正。
類のは、蒼太として築いてきた履歴をしずつき換えていった。
3ヶ、民票には「森田優」と記された。
神戸内のしい所も登録された。
敬吾が配した賃貸マンションのだった。
保証は敬吾。
契約名義は森田優。
初めて自分の姓が血縁に基づいていると実できる類をにした、優は複雑なを抱いた。
これは救済なのか。
それとも再発なのか。
泊の々は、確かに終わりを迎えた。
けれど、それは兄の支えによるものだという事実も消えなかった。
敬吾は焦らなくていいと言った。
「記憶が戻らなくても構わない。ここにいることが事なんだ」
だが優は、自分が本当に森田の員として振るえるのか、自信がなかった。
血縁は証された。
しかし、共されたはしない。
相続分の振り込み続きもめられた。
優は部を受け取り、残りは保留にした。
全額を受け取る決断は、まだできなかった。
敬吾はそれを尊した。
「が必なのは分かっている」
森田優という名は法に戻った。
だがのでは、蒼太としての23も消えていない。
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