"無能嫁のタワマン逆転" 第9話
そう言って、しうんざりした顔をしていました。
それだけ昭脳で、男尊女卑の考えを捨てられない男性がいのだそうです。
私はその言葉を聞き、夫だけが特別なのではないのだとりました。
それでも、私はもう夫の価値観のできるつもりはありませんでした。
坂崎さんから制差し押さえの話を告げられた直だったのでしょう。
私と徹が買い物から帰ってきて、タワーマンションのエントランスに差しかかった、植え込みのからぬっとが現れました。
「あなた……」
「父さん」
私と徹は同に声をげました。
婚調でも、の癖でつい「あなた」と言ってしまいました。
そこにっていたのは夫でした。
よれよれのジャケット姿で、にはなぜかコンビニの袋をげています。し見ないに、ずいぶん見すぼらしい姿になっていました。
夫はタワーマンションを見げ、呆然とした顔で言いました。
「おたち、こんな派なところにんでいたのか」
層階であることは、黙っておくことにしました。
私はたく答えました。
「それがどうかしましたか? 話があるなら弁護士の坂崎さんを通してください」
夫はにげた袋を差ししました。
「これ、お、好きだっただろ。コンビニのスイーツとかいうやつ」
私は袋を見ました。
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以、パート帰りに買って、徹とお茶をんでいたスイーツでした。夫はその姿を見ていたのかもしれません。
「だからさ、婚とか、ちょっと考え直してくれないか?」
私は呆れてしまいました。
この期に及んで、コンビニスイーツで嫌を取ろうというのでしょうか。
かつて私が何もを支えてきたことには謝もせず、私のを「無能な嫁」と切り捨てたが、今さら甘いもの1つで戻ってきてくれと言うのです。
「結構です」
私はきっぱり言いました。
すると徹が夫を見て、淡々と言いました。
「そんな袋をぶらげてうろうろしてると、警備員に通報されるよ。完全に審者だから」
夫の顔が歪みました。
2かに「独無職の親のスネかじり」と「息子の教育に失敗した無能な嫁」はていけと鳴っていた夫は、今やタワーマンションので待ち伏せする、未練たらたらの審者になっていました。
「徹、おまでそんな言い方をするのか」
夫は傷ついたような顔をしました。
けれど、徹は怯みませんでした。
「父さんが俺たちにずっと言ってきたことに比べたら、ずっと優しいとうけど」
夫は言葉に詰まりました。
私はエントランスの自ドアのでち止まり、夫に向き直りました。
「私はもう戻りません。婚の話は坂崎さんを通してください」
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「玲子……」
久しぶりに、夫が私の名を呼びました。
でも、その声にはきませんでした。
私は徹と緒にオートロックを通り、エレベーターへ向かいました。
背で夫が何か言っていたようですが、もう聞き返すことはありませんでした。
タワーマンションでの活にも、だいぶ慣れてきました。
週に1度は美奈さんがケーキや菓子などの産を持って訪ねてきて、徹と3で緒に夕をべるようになりました。
予の老だけれど、悪くない。
そうえる々でした。
夫との婚は、調から訴訟寸まで発展しました。けれど結局、坂崎さんのい言で終結しました。
「あなたに勝ち目はありません。の無駄です。引いた分だけ弁護士費用もかかります」
夫はその言葉に、ようやく現実を受け入れたようです。
持ちの権利も、預貯も、きっちりと分けられました。
夫の元にも、それでも老資として数千万円は残ったようです。老の活資にはないはずでした。
それは確かに、仕事筋できてきた証でしょう。
けれど、夫は1取り残された古いで、族のぬくもりや温かい料理を失ってしまいました。
夫と婚して、私は幸せになれました。
けれど、夫が幸せだとはえません。
私にとってはすでにです。
でも、徹にとっては父親です。
ある、徹が夫の様子を見にって帰ってきました。
玄関で靴を脱ぐなり、し疲れた顔で言いました。
「母さん、俺、父さんに施設を勧めてみるよ」
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