"母を捨てた凍夜" 第11話
吉田施設は、その求を受け、佐藤恵子にはる子をにすよう指示した。
恵子は「娘が迎えに来ている」と嘘をつき、はる子を玄関からへした。
はる子は寒さに耐えられず、施設の裏側へ回り込み、倉庫に入った。
そして、そこで凍した。
1、誰も気づかなかった。
いや、気づかないふりをしていた。
この事件は単なる過失ではなかった。
族の酷さ。
施設側の怠。
職員のさ。
そして、男の卑怯さ。
複数のの悪と保がなって起きた劇だった。
19982、検察は起訴を決定した。
幸子は保護責任者遺棄致などの罪。
武志は私文偽造、遺産の正取得、そして保護責任を放棄した責任。
吉田施設は業務過失致と保護責任者遺棄に関する罪。
佐藤恵子も、保護責任者遺棄に関わった罪に問われることになった。
裁判は3ヶに始まることになった。
由紀子は検察に連絡を取り、証として廷することを申した。
「母がどんなを送ったか、裁判で話したいんです」
由紀子の声は静かだったが、い決があった。
検察官は頷いた。
「分かりました。ぜひお願いします」
裁判が始まるまでの、由紀子は母の遺骨を引き取った。
さな骨壺を抱きしめ、由紀子は涙を流した。
「お母さん、やっと帰ってこられたね。もう寒くないよ。もう1じゃないよ」
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由紀子は、母が好きだった菜のを買い、骨壺のに供えた。
のだった。
黄いさなが、い骨壺ので静かに揺れていた。
「お母さん、裁判で全部話すからね。お母さんがどれだけ頑張ったか、どれだけ優しかったか、みんなに分かってもらうから」
由紀子は母に誓った。
そして、裁判のを待った。
19985、神戸方裁判所で裁判が始まった。
傍聴席には、くのが詰めかけていた。
この事件は聞やテレビできく報されていた。
族のために尽くした母親が、真の夜に見捨てられ、凍した。
その劇に、くのがを痛めていた。
被告席には、幸子、武志、吉田施設、そして佐藤恵子が座っていた。
幸子は無表だった。
武志は俯いたまま、誰とも目をわせなかった。
吉田は疲れきった顔をしていた。
恵子は涙を流していた。
検察官が冒陳述をった。
事件の経緯。
被告たちの責任。
そして、被害者であるはる子の。
法廷は静まり返った。
証として、由紀子が呼ばれた。
由紀子は黒い喪を着て、証言台にった。は震えていたが、目は真っすぐを向いていた。
検察官が質問した。
「証は、被害者の娘さんですね」
「はい」
「お母様は、どのような方でしたか」
由紀子は呼吸をした。
そして、話し始めた。
「母は、昭の代を、ただひたすら族のためにきたでした」
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由紀子の声は、最初は震えていた。
しかし、しずつくなっていった。
「20、厳しい姑に仕えました。文句1つ言わずに。父は何も言ってくれませんでした。母は1で耐えました」
傍聴席から、すすり泣く声が聞こえた。
「兄が学にくために、私は学をてで働きました。母は私に何度も謝りました。『由紀子、ごめんね』って。でも私は、母をんだことはありません。母も苦しんでいたからです」
由紀子の目から涙があふれた。
「私が稼いだおは、全部兄の学費になりました。母はいつも言っていました。族が幸せならそれでいいって。でも、族は母を幸せにしませんでした」
由紀子は被告席を見た。
武志は顔をげられなかった。
「父がくなった、遺産は全部兄にきました。母には何も残りませんでした。でも母は文句を言いませんでした。それが当たりだとっていたからです」
由紀子の声は震えていた。
「兄は母を施設に入れました。面会にもきませんでした。私は貧しくて、母を引き取ることができませんでした。それが今でも悔しいです」
裁判が休廷を提案した。
けれど由紀子は首を横に振った。
「続けます」
由紀子は涙を拭いて話を続けた。
「母は最まで誰かをむことはありませんでした。施設で寂しく暮らしていても、私が会いにくと笑顔で迎えてくれました。
そんな母を、真の夜に1でにすなんて」
由紀子は幸子を見た。
幸子は線をそらした。
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