"消えた花嫁の名札" 第8話
名札が見つかった所もそこだ」
会議はしばらく沈黙に包まれた。
窓のには、梅のの空が広がっていた。
8のあのの朝と、よく似ただった。
倉庫から見つかった古いネームプレートと、児科病棟のロッカーに残されていた美緒の自メモ。
その2つが並べられた瞬、8に「自発失踪」として閉じかけていた事件は、まったく別の顔を見せ始めた。
3、世田警察署の受付に、2の物が並んでっていた。
1は、阪千鶴。
美緒と織の母方の叔母であり、8、毎613にい菊を向け続けてきた女性だった。
もう1は、すでに退職していた元刑事、加茂慎之助だった。
加茂は黒い着の内ポケットに、あの古い黒革の帳を入れていた。8、公式な報告にききれなかった違を、1つずつ記録していた帳だった。
受付の職員が2を見げた。
「本は、どのようなご用件でしょうか」
千鶴は両でさな鞄を握りしめ、静かにをげた。
「苅田美緒の失踪事件について、正式な再捜査をお願いに参りました」
職員は瞬、表を引き締めた。すでに倉庫の件は署内でも共されていた。美緒の名は、8の未解決案件として再び刑事課の空気をくしていた。
加茂は内ポケットから帳を取りし、受付台のにそっと置いた。
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「8、この事件の初捜査を担当した、当の巡査部、加茂慎之助です。この帳は、公式報告には載せきれなかった観察を個にまとめたものです」
受付の職員は、い袋こそつけていなかったが、その帳を傷つけないよう慎にいた。
黄ばんだページの端に、赤いボールペンでつけられた丸があった。
「本だけがるはずの装」
その文を見た瞬、職員の表が変わった。
「々お待ちください」
彼はすぐにちがり、刑事課の奥へ向かった。
そのの午、世田警察署の保管で、赤い「未解決」の判が押されたキャビネットが8ぶりにかれた。
苅田美緒失踪事件のファイルが、会議の机のへ戻された。
古いの匂いが内に広がる。ページの端はし丸まり、当の写真はが褪せていた。それでも、そこに記録された違は消えていなかった。
警庁本部との協議は、予以にくんだ。
倉庫から見つかった名札。
名札裏の茶い染み。
コンタクトレンズケース。
のネックレス。
そして、美緒の自メモ。
「物証が確保された以、正式な再捜査チームを編成する必がある」
そうして再捜査チームが組まれた。
ベテラン刑事2名。
科学捜査研究所の鑑定担当3名。
法医学顧問1名。
そして加茂は、参考というで再捜査チームに加わることになった。
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最初の会議がかれたのは、数だった。
会議のホワイトボードには、4つの柱がきくきされた。
第1、ネームプレート裏の茶い円形の染みに対する血液反応検査。
第2、のネックレス表面に残った微細繊維の分析。
第3、美緒の自メモの跡鑑定。
第4、1999613夜のい軽乗用のエンジン音についての証言再確認、および軒茶のアパートから病院倉庫までの移経の再構成。
会議の端に座っていた加茂は、8ぶりににした事件ファイルの表を静かになでた。
美緒さん。
いこと、お待たせしました。
声にはさなかった。
けれど、その言葉は胸の奥に確かにあった。
方で、再捜査の気配はわぬ所へも漏れていった。
病院総務部の職員が、古い同僚の護師に何気なく話したのだ。
「あのさ、8に失踪した美緒さんのこと、覚えてる?」
「もちろん。どうしたの?」
「休眠の倉庫から、そのの名札がてきたらしい。警察がまた調べ始めるって」
そのの夕方、その同僚は久しぶりに織へ話をかけた。
「織、久しぶり」
話の向こうで、織はいつもの落ち着いた声をした。
「何?」
「したことじゃないんだけど、病院で変わった話が回っていて」
「変わった話?」
「倉庫から、美緒さんの名札がてきたそうよ。警察がまた調べ始めるって。
おば様から連絡は来た?」
話の向こうで、数秒、沈黙が落ちた。
「連絡は来ていないわ」
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