"10年目の地下室" 第7話
これにより、カラオケが帰国するか、柄を拘束されるまで、田事件の効は止されることになった。
妻は判決を聞いても、きくぶことはなかった。
「ようやく、スタート点に戻れただけです」
が逃してから、15くがたっていた。
201910。
へ逃していた元カラオケが、滞国で別の犯罪により拘束された。
本側は柄の引き渡しを求めた。
正式な犯罪引渡条約は結ばれていなかったが、交交渉の結果、は本へ送還されることになった。
11初旬、空港に到着したは、殺幇助、体遺棄、証拠隠滅などの容疑で逮捕された。
取り調べに対し、は当初、田の殺害には関与していないと主張した。
「課に頼まれて、の壁を直しただけです」
「壁の向こうに遺体があることをっていましたね」
「りませんでした」
「では、なぜ防犯カメラの記録を消したのですか」
は黙り込んだ。
裁判では、当のアルバイト従業員が証言台にった。
「の清掃を伝うよう指示されました」
男性は震える声で話した。
「セメントが積まれていて、壁がしくなっていました。変な臭いもしました。は、誰にも話すなと言いました」
コンビニのVHS映像も証拠として提された。
午117分、入へ向かう。
正面入を施錠する男。
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照が消える瞬。
課の記、命保険契約、300万円の引きし、建材の領収も法廷で示された。
検察は、課が田をへ呼びし、複数で襲ったと主張した。
その、がセメントやレンガを購入し、遺体のある空を封鎖した。
防犯映像を消し、従業員を退させ、を廃業して国へ逃した。
は最まで、殺害の実為には関わっていないと主張した。
「課に脅されました。会社との銭関係を暴すると言われ、断れませんでした」
しかし検察は、事件から課とのに額の送があったことを指摘した。
さらに、遺体を隠したにが300万円を受け取っていた能性を示した。
田の妻も証言台にった。
「夫は、もうすぐ帰ると言いました」
法廷は静まり返った。
「しにりると言ったんです。私は、く帰ってきてねと答えました。それが最でした」
妻は被告席を見なかった。
「10、夫の居所を探しました。きていると信じたもありました。事故に遭ったのではないか、記憶を失ったのではないかと、毎考えました」
声が震えた。
「でも夫は、私たちのすぐくにいました。何度も調べてほしいと頼んだ、あのにいたんです」
20206。
裁判所は元に懲役12の判決を言い渡した。
殺そのものへの直接な関与は分に証できなかったものの、体遺棄と証拠隠滅、殺害為を助けた責任が認定された。
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弁護側は控訴した。
しかし級審でも判決は維持された。
主犯とされた課は、すでにしていた。
会社の元セキュリティ担当者の関与も、最まで証されなかった。
田に鈍器を振りろした者が誰だったのか。
微量に残された別の血液が誰のものだったのか。
事件の全てがらかになったわけではなかった。
それでも、10には事件としてさえ扱われなかった田のに、ようやく1つの判決がされた。
202012。
カラオケがあった所に、さな碑が建てられた。
再発によって周囲の景は変わり、古い雑居ビルの面はどこにも残っていなかった。
碑は、遺族と民から寄せられた募で作られた。
正面には、田孝介の名と、事件の概が刻まれていた。
――2004、この所で1の会社員が姿を消した。
――10、解体された建物のから遺骨が発見された。
除幕式の、田の妻と子どもたちは、碑のにいを置いた。
事件当、まだ幼かった子どもたちは、すでに成していた。
父親と過ごしたよりも、父親を待ち続けたの方がくなっていた。
「お父さん、やっと帰ってこられたね」
娘がさくつぶやいた。
妻は碑に触れた。
たいの触が指先から伝わった。
夫が方になった直、警察にを調べてほしいと訴えた。
2007に自然な壁が発見されたも、調査を求めた。
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