"8年目の遺失物" 第2話
そこでをり、トイレ付や売の周囲を2周したものの、姿を見つけることはできなかった。
しかし、誠は警察にもサービスエリアの職員にもらせなかった。京に急ぎの用事があり、裕子は自分で速バスかタクシーを利用して帰ってくるだろうと考え、1でをしたと説した。
裕子はその夜、自宅へ戻らなかった。それでも誠は翌も、その次のも、方の届けをさなかった。
裕子の失踪が警察へらされたのは、3だった。通報したのは誠ではなく、裕子の実の母・佐藤節子だった。
節子は娘から連絡がないことを審にい、何度も京の自宅へ話をかけた。誠から事を聞かされた、すぐに警察署へ向かった。
「この子は、何も言わずに族との連絡を絶つような子ではありません。きっと何かあったんです」
節子は写真を両で握り、担当者に何度も訴えた。当、夫婦喧嘩のにをた成女性が、数に自ら戻ってくる例は珍しくなく、警察も当初はの能性がいと判断していた。
それでも節子は首を横に振り続けた。娘が息子を置いたまま、何の連絡もなく姿を消すことなどあり得ないと、涙を拭いながら言い切った。
通報を受けた警察は、富士川サービスエリアとその周辺を捜索した。トイレのや建物の裏、駐の端まで調べたが、裕子の持ち物も争った痕跡も見つからなかった。
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1997当、サービスエリアには現のような監設備がっていなかった。売付に古い防犯カメラが1台あったものの、録画テープは3ごとにきされる仕組みで、捜査員が確認したには該当する夜の映像がすでに失われていた。
目撃者を探すことも難しかった。連休の最終にち寄った々は全国各へ帰ったで、誰がその所にいたのかを確かめる方法さえなかった。
捜査を担当した渡辺健は、最初に誠から詳しい事を聞いた。警察署へ現れた誠は、妻が消えた直とはえないほど落ち着いていた。
しみよりも疲労がく表れた顔で子へ座り、質問にはく答えた。
「トイレへくと言ってりました。待っても戻らなかったので探しましたが、見つかりませんでした」
渡辺が帳から顔をげた。
「なぜ、そので通報しなかったのですか」
誠はすぐには答えなかった。唇を結び、言葉を選ぶように線をげてから、ゆっくりとをいた。
「最、夫婦仲がよくなかったんです。1で実へ帰ったのだといました」
渡辺はその言葉を帳へき留めた。夫婦仲がよくなかったという説は、裕子が自らった能性を示す方で、夫婦のに何らかの問題があったこともしていた。
その2、渡辺は節子から、裕子が失踪にかけてきた最の話について聞いた。
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通話があったのは、お盆休みが始まるのことだった。
節子によれば、裕子の声は普段よりく、周囲を気にしているように聞こえたという。
「お母さん、私、ちょっとおかしいみたい」
節子がを聞き返そうとした瞬、話は切れた。すぐにかけ直したが、裕子が話にることはなかった。
体調が悪いというだったのか。が疲れているというだったのか。それとも、別の何かを伝えようとしたのか。
節子は、娘の最の言葉がかられないと話した。渡辺が誠へ話の内容を尋ねると、誠は義母と話していたことはっているが、会話の内容まではらないと答えた。
捜査はまだ、裕子が自ら姿を消したのか、何らかの事件に巻き込まれたのか、その入にさえてずにいた。
失踪から数、誠の勤務先の同僚から警察へ連絡が入った。話をかけてきたのは、同じ営業チームで働いていた鈴達也という30代半の男性だった。
鈴は警察署へ来ると、周囲を気にするように声を落とした。
「っていることがあります。したことではないかもしれませんが、お話しした方がいいといまして」
鈴が話したのは、お盆休み直の誠の様子だった。誠は会社の話を使い、ある番号へ話をかけていたという。
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