"梅の下に眠る不動産王" 第10話
午1140分、タクシーで京駅へ。
314午620分、待所でコートが発見される。
同の午、久保沢の墓につ。
列には乗っていない。
では、どうやって形へったのか。
その、志垣は社代子の言葉をいした。
墓のに、見たことのない黒いが止まっていた。
宇井は自分では運転しない。
では、誰が運転したのか。
志垣のに、障子越しのに照らされた静の横顔が浮かんだ。
毎咲きます。
でも私はをやります。
毎朝。
志垣は、すぐには世田へ向かわなかった。
静は8、何を聞かれても震えなかったである。推測だけを持って向きっても、何も話さないだろう。
最の1つを確かめる必があった。
宇井邸には、が2台あった。
1台は会社名義で、専属運転の湯坂が使用していた黒い級。もう1台は静名義の古い黒い乗用だった。
8の捜査資料には「庫にあり。使用形跡なし」と記されていた。
志垣は、その報告をいた元刑事を探した。
「ああ、覚えてますよ」
話にた元刑事は、し考えてから答えた。
「奥さんも免許を持っていました。あの代の女性にしては珍しいとったので覚えています」
「使用形跡なしと判断した理由は?」
「ボンネットを触ってたかったんです」
「確認したのは、いつですか?」
話の向こうで沈黙があった。
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「317だったといます。届けから3です」
3も経てば、ボンネットはえている。
次に志垣が探したのは、所の油所の記録だった。
普通なら8の伝票など残っていない。だが個経営の古いの主は、税務署に言われるからと過の伝票を全て倉庫へ保管していた。
志垣は2、埃の積もった段ボールので伝票をめくった。
そして見つけた。
1995314、午812分。
レギュラーガソリン52リットル、満タン。
の番号は、静名義の黒い乗用と致した。
52リットル。
タンクはほぼ空だったということになる。京から形県久保沢町までを往復すれば、それにい距になる。
4初めの曜、志垣は再び宇井邸のへった。
梅のは散り、枝には豆粒ほどの青い実がついていた。
呼び鈴を押すと、静が扉をけた。
志垣の顔を見た瞬、このは待っていたのだと分かった。
8ではない。
回の訪問から、この3週を待っていた。
「おがりください」
座敷で茶がされたが、志垣は湯呑みへをつけなかった。
「奥さん。ご主は、あの夜、形へこうとしてけなかった」
静の目が志垣を見た。
「京駅で久保沢きの切符を買い、始発を待っていました。しかし、その切符は使われていません。コートは待所に置かれ、翌朝、駅員が拾っています」
志垣は遺失物台帳の写しを畳のへ置いた。
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「ご主は列を待たなかった。待所から、誰かへ話をかけたのだといます」
静のが膝ので、わずかにいた。
「迎えに来てくれと頼んだ。奥さん、あなたがで京駅へ向かい、ご主を乗せて形へった」
志垣は油伝票の写しを並べた。
「往復およそ700キロです。314午812分、あなたのへ52リットル油した記録が残っています」
い沈黙があった。
やがて静は目を伏せた。
「はい」
志垣は、自分でも気づかないうちに止めていた息を吐いた。
「きました。私が運転しました」
静の声は穏やかだった。
京駅で宇井を乗せ、をへった。
宇井は途、言も話さなかった。夜がけてが見え始めても、ずっと窓のを見ていた。
墓へ着いたのは、午10頃だった。
「私はので待っていました。あのは1で段をがっていきました」
「どのくらい墓に?」
「1ほどだったといます。もっとかったかもしれません。計を見ていませんでしたから」
れた所から、社代慎介がその姿を見ていた。
声をかけようとし、やめた。
「戻ってきた、あのは真っな顔をしていました」
静の声が、しかすれた。
「のシートへ体を沈めて、帰ろうと。それだけ言いました」
帰りも宇井は言も話さなかった。
京へ着いたのは午8で、油刻とも致する。
「その、ご主はどこへかれたのですか?」
静は答えなかった。
志垣は待った。
障子を通るが、しずつ夕方のへ変わっていく。
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