"消えた御曹司と500万の罠" 第4話
悠はハンドルを握ったまま、背にたい汗が流れるのをじた。
――俺は何を話しているんだ。
それなのには止まらない。
相が落ち着きを取り戻した頃、悠は必な確認を終え、自然に通話を締めくくった。
接続が切れた。
そこで初めて、自分が数分も国語で会話していたことに気づいた。
内が静まり返った。
悠は自分のを見たくなる衝を抑え、方だけを見つめた。
ではなく、体が覚えていた。
そんな覚だった。
沈黙を破ったのは健造だった。
「今……君が話したのか」
声がく震えていた。
悠は慌てた。
「申し訳ありません、会。私にも分かりません。勝に話へ答えてしまって……」
「そうではない」
健造はを乗りした。
「どこでスペイン語を習った?」
「分かりません」
悠は本気で困惑していた。
「本当に覚えがないんです。聞いた瞬、相が何を言っているのか分かって……気づいたら答えていました」
健造は何も言わなかった。
部座席から悠の横顔を凝していた。
先ほどの話し方。
語尾をわずかにく落とす癖。
まず相をさせてから本題へ入るの取り方。
あまりにも馴染みがあった。
20。
まだ5歳だった息子、悠。
事業を識した健造が幼い息子にスペイン語の庭教師をつけると、悠は驚くほどく言葉を覚えた。
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同代の子供には珍しい柔らかなイントネーションで、先と楽しそうに話していた。
それと全く同じだった。
健造の胸が激しく鳴った。
だが、20で何度も希望を抱き、そのたび失望してきた。
簡単にを表へすことはできなかった。
目へ到着すると、健造はいつもよりゆっくりをりた。
建物へ入る直、秘の鈴を呼び止める。
「今の運転は何という名だった?」
「本悠です」
健造の目が細くなった。
「彼について調べてくれ」
「どの程度まででしょうか」
「内密に。そして徹底にだ」
鈴が驚いた顔をすると、健造はさらに付け加えた。
「今、内で起きたことは誰にも漏らすな」
「承しました」
そのの午、スペイン側から秘へ連絡が入った。
朝の話にた担当者の対応が非常に素らしかったという謝だった。緊急事態だったが、落ち着いた説のおかげで混乱せず、契約準備も問題なくめられたという。
健造はその報告を聞き、決めた。
しばらく悠を自分の専属運転として置く。
表向きの理由は、運転技術と対応能力を評価したため。
本当の理由は違った。
もっとくで悠を見たかった。
その夜、健造は自宅の斎で古いアルバムをいた。
4歳の悠がスペイン語の絵本を持ち、庭教師の隣で笑っている。
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健造は写真へ指を触れた。
「悠……」
20。
1たりとも忘れたはなかった。
やっと見つけたような気がする。
しかし、分からない。
本当に息子なら、なぜ自分たちを覚えていないのか。
なぜ族の記憶は失われ、スペイン語だけが体に残っているのか。
それとも単なる偶然なのか。
鈴が調べた資料には、こうあった。
本悠。
25歳。
5歳頃、い部傷を負った状態で保護。
過の記憶を失っており、元のまま児童養護施設へ。
期は、息子が消えた期とほぼ致する。
健造は夜にもかかわらず鈴を呼びした。
「から本悠を私の専属運転にする」
「分かりました」
鈴は度頷いた、慎に尋ねた。
「会。本君は、何か特別な物なのでしょうか」
健造はい沈黙の、答えた。
「まだ確信はない」
そして古い写真を見つめた。
「だが、もうすぐ分かるだろう」
翌、健造は悠へいつもと違うき先を告げた。
「今は療養病院へってくれ」
「承しました」
悠はカーナビへ所を入力した。
なぜ会が病院へくのか気にはなったが、運転から私な事を尋ねることはしなかった。
到着すると、健造はをりた。
ところが入へ向かいかけたところでち止まり、悠を振り返った。
「本君。君も来てくれ」
「私も、ですか?」
「荷物を持ってもらいたい」
「承しました」
悠は部座席から果物の入った籠を取り、健造のについて院内へ入った。
廊を歩いているうちに、普通の総病院とは雰囲気が違うことに気づいた。
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