"消えた御曹司と500万の罠" 第8話
健造が急いで建物へ入り、悠は駐の内でハンドルへ額を押しつけた。
自分のミスだった。
確認を怠った。
会社に巨な損害を与えるかもしれない。
1、健造が戻ってきた。
幸い商談そのものは破談にはならなかったが、表はたかった。
「今の件は刻だ」
「申し訳ありません。弁解の余もございません」
健造は何も言わなかった。
本社へ戻ると、悠は秘へ呼ばれた。
鈴が険しい顔で待っていた。
「本君。確認させてもらう」
「はい」
「信司専務へ確認したが、き先変更の指示などしていないと言っている」
悠はを疑った。
「そんなはずはありません」
「だが本が否定している」
「確かに今朝、直接……」
「証は?」
悠は言葉を失った。
そのには2しかいなかった。
すると秘のドアがいた。
信司が入ってきた。
「どうしたんですか?」
鈴が事を説する。
信司は残そうに首を振った。
「本君。実に残だ」
悠は信司を見つめた。
「専務。今朝、私に箱根へけとおっしゃいました」
「私が?」
「はい」
「証拠は?」
悠は答えられなかった。
信司は鈴へ顔を向けた。
「のため、本君の座も確認した方がいいのではありませんか」
「座?」
「競企業からを受け取り、故に商談を妨害した能性もあります」
悠は驚愕した。
「そんなことはしていません!」
しかし10分。
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さらに信じられない報告が入った。
悠名義の座へ、そのの午10に500万円が振り込まれていた。
「何ですって?」
悠はちがった。
「そんなお、りません!」
側の記録には確かに残っていた。
信司はしそうに首を振った。
「父も君を信頼していたのに」
「違います!」
悠は必だった。
「誰かが私を罠にはめているんです!」
しかし説できない。
指示をした信司本は否定。
自分の座には500万円。
状況だけ見れば、悠が商談を妨害する見返りにを受け取ったように見える。
鈴は厳しい声で告げた。
「調査が終わるまで、自宅待とする」
悠はふらつくように秘をた。
方。
健造も同じ報告を受けていた。
「悠が500万円……」
何かがおかしい。
そうう方、証拠はあまりにもだった。
そこへ信司が現れた。
「父」
「何だ」
「ここ数、あの運転を随分気にされていましたね」
健造は黙った。
信司は慎に言葉を選んだ。
「また、息子さんかもしれないとわれたのではありませんか」
健造の目が鋭くなった。
「何が言いたい」
「父の本当の息子なら、たとえ施設で育っていたとしても真っ直ぐなになっているはずです」
信司は静かに続けた。
「父の血を引いているんですから」
その言葉が健造の胸へ刺さった。
「しかし、を受け取って会社を裏切るが、父の息子であるはずがありません」
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健造はい黙った。
そして目を伏せた。
「……そうかもしれんな」
信司は表を変えなかった。
「私がまった期待をしたようだ」
健造の声には、い失望があった。
信司はをげながら、誰にも見えないところで静かに息を吐いた。
計画は成功した。
自宅待になって2。
悠は狭いワンルームからほとんどなかった。
会社から連絡はない。
ただ待つように言われているだけだった。
ミキに捨てられ。
会から疑われ。
唯誇りにしていた仕事さえ失いかけている。
井を見げていると、また施設にいた頃へ戻ったような気がした。
自分には何もない。
結局、そういうだったのか。
午、らない番号から話がかかってきた。
「本悠さんですか?」
「はい」
「朝グループ監査の者です。今回の件について内部調査をいます」
悠は体を起こした。
ようやく無実を説できる。
「本午4、お会いできますか」
「はい。どこへ伺えばいいでしょうか」
「所をメッセージで送ります。お1でお越しください」
届いた所は、神奈川県川崎の業帯だった。
し自然にった。
それでも内部調査だから、目を避けた所を使うのだろうと考えた。
午3半。
悠はで向かった。
指定された所は、古い倉庫が並ぶ角だった。
の鉄板で覆われた建物のへち、ドアをノックする。
スーツ姿の男が現れた。
「本さんですね」
「はい」
「どうぞ」
倉庫のには机と子、積みげられた段ボール箱しかない。
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