"午前0時30分の空白" 第3話
という為を識して準備した能性がてくる。
だが、そこでつの矛盾がまれる。
痕跡を消そうとするなら、なぜ朝になればが通るを選んだのか。
燃やせば煙がる。
煙がれば、当然ながら誰かに気づかれる危険が増す。
実際、その通りになった。
午8頃。
仕事へ向かう男性が煙を発見し、警察へ通報した。
犯が痕跡を消そうとしていたのだとすれば、そのは周到に見える方で、最の処理だけがひどく完全だった。
準備していたのか。
焦っていたのか。
静だったのか。
追い詰められていたのか。
事件は、最初の現確認の段階から相反するつの顔を見せていた。
警察にとって、まず埋めなければならないのはだった。
914未。
藤沢駅。
926朝。
平塚の。
そのの12に何が起きたのか。
失踪当のをたどる作業が始まった。
913、け子は通常通り勤務していたとみられる。
その、同僚と茅ヶ崎駅くで事。
夜遅くまで緒に過ごし、午1130分頃には藤沢駅方面へ移した。
そして14午030分頃。
のタクシー乗りで同僚と別れている。
同僚はタクシーで帰った。
ここまでは比較はっきりしている。
問題は、そのだった。
け子は公衆話を使用した。
警察が最もりたかったのは、話の相だったはずである。
広告
1991は、今のように個の携帯話に発信履歴が残り、それを簡単に追跡できる環境ではない。
公衆話から誰にかけたのかを突き止めることは、現よりはるかに難しかった。
仮に相が族や親しい友なら、本から申しがあった能性はある。
しかし、事件も、その話の相を決定に示す報は表にていない。
公衆話を使ったことだけが残る。
その向こう側が見えない。
部の公報では、藤沢駅付から田急ノ島線方面へ、け子に似た若い女性を乗せたというタクシー運転の目撃談が語られている。
だが、その証言を事件の確定した事実として扱うことは難しい。
似た代。
似た装。
夜の若い女性。
記憶はとともに曖昧になる。
事件が報された、自分が乗せた客をい返し、「あの女性だったかもしれない」と考えた能性もある。
もしその報が正しければ、け子は藤沢駅から別の所へ移した。
だが正しくなければ、捜査を別方向へ向ける雑音にもなり得る。
未解決事件では、この違いがきい。
報がいことは、必ずしも犯へづくことをしない。
むしろ、どれが正しく、どれが無関係なのかを見分けられなければ、捜査範囲だけが広がっていく。
け子が誰かと会った能性も検討されたはずだった。
広告
夜030分。
公衆話。
その、確かなタクシー利用記録がない。
もしがで迎えに来たのであれば、け子は自らそのへ乗った能性がある。
それなら、駅できな騒ぎにならずに姿を消すことも説できる。
しかし、これも証拠がない。
だったのか。
初対面だったのか。
話の相と、その会った物が同だったのか。
すべてが分からない。
警察はけ子の勤務先や友、交友関係を調べたと考えられる。
直に何かトラブルはなかったか。
誰かに付きまとわれていなかったか。
恋関係。
銭関係。
職での関係。
常活のに事件へつながる物がいなかったか。
だが、公報の範囲で、犯と断定できる物は浮かびがらなかった。
もうつ、きな問題があった。
け子がどこで命を奪われたのか分からないことだった。
平塚のが殺害現だったと断定できる報はない。
むしろドラム缶で運ばれた能性を考えれば、別の所で事件が起こり、そのに平塚へ運ばれたと考える方が自然に見える。
だとすれば、捜査すべき所は藤沢から平塚のだけではない。
犯がを使用していたなら、さらにい所まで移できる。
どこかの建物。
倉庫。
。
宅。
気のない。
に保管できる所。
そのどこかが本当の事件現だった能性がある。
け子の失踪と平塚での発見のには、理な空とな空が同にした。
広告
おすすめ作品
-
完結第21話
日本一情の深い父の裏の顔
妹がサービスエリアで姿を消して5年。全国を巡り「日本一情の深い父親」と称賛される父から、私は古いワゴン車を譲り受けた。だが車内の清掃中、妹の指定席だったシートベルトが事故の衝撃で「4センチ」伸びきっているのを発見する。さらに奥底から見つかったのは、刃物で切断された妹の防犯ブザーだった。父に問いただすと、かつてない冷酷な声で「今すぐ車を処分しろ」と脅され――。私は父の狂気と真実を暴くため、ある決断を下す。ミステリー|裡の顔|真相|行方不明3.1万字5 75 -
完結第22話
側溝の底のGPS
六年前に娘を事故で亡くし、近所から「不注意な母親」と後ろ指を指されながら暮らしてきた私。ある朝、向かいの名士宅との境界にある側溝の泥から、泥まみれの「娘の見守りGPS」を掘り出した。壊れた端末のログを開くと、六年間、豪雨の深夜になるたび、向かいの家のWi-Fiと通信を繰り返していた。問い詰めた夫が無言で開けた物置には、壁一面に貼られた隣家の行動記録と、五年間密かに改造されていた配管図面があった。ミステリー|因果応報|裡切られた|真相3.3万字5 223 -
完結第11話
九時三十四分の地下鉄、消えた暴行犯
午前九時三十四分、地下鉄の車内で若い男が突如狂乱し、中年客の顔面を骨が軋むほど殴打した。床一面に飛び散る鮮血。だが、隣に座る同じ社章をつけた上司は、ただ口をあわあわと震わせ「腰を抜かして」座り込むだけだった。乗客たちと男を取り押さえ、駅員にすべてを通報した俺。しかし翌日、警察の発表も新聞の三面記事も、この凄惨な事件を「最初から存在しなかった」かのように完全に黙殺していた。なぜあの凄惨な暴力は一行も報道されず、駅の防犯カメラ映像すら消去されたのか。数年後、俺はある大手企業の役員名簿の中に、あの朝、冷たいホームの柱にすがってガタガタと震えていた「あの上司」の顔写真を見つけ、息を呑んだ――。ミステリー|真実1.6万字5 101 -
完結第19話
三十二人目の卒業写真
教職を退いた夜、三十年前に送り出した最初の教え子たちが開いてくれた送別会で、私は三十一人分の感謝の手紙を受け取った。だが自宅で数え直すと、名簿にない三十二通目の白い封筒が混ざっていた。便箋には「全員が卒業しました。私一人を残して」とだけ記されていた。翌日、私が困惑して生徒たちに当時の記憶を尋ねると、誰もが存在を否定し、深夜の受話器の向こうから「あの子のこと、墓場まで隠し通すつもりですか」昭和|ミステリー|因果応報|真相2.8万字5 176 -
完結第21話
十年前に死んでいた夫
病に倒れた夫を十三年間看取り、質素な火葬を終えた私は、医療記録の精算のため大久保総合病院の窓口へ向かった。だが職員から告げられたのは、データベースに夫の名はなく、提示した診察券は十年前に死亡した二十代の別人の番号だという宣告だった。半乱心で戻ったアパートを捜索するも、夫名義の保険証も免許証も通帳すら一枚も見当たらない。十三年間私の隣で息をしていた男の痕跡が、この世のどこにも存在しない現実に立ち尽くした。ミステリー|夫婦|介護|修羅場3.1万字5 2982 -
完結第12話
左足だけの靴箱
隣室の吉岡さんが部屋で亡くなった。付き合いのなかった老人の遺品整理に立ち会った彩香は、業者から「故人の遺言」として段ボール箱を手渡される。中に入っていたのは、彩香が過去5年間に自宅の玄関から消えたはずの「左足の靴」12足。そして、それと対になる新品の右足の靴。靴底をめくると、そこには夫が「深夜残業」と偽っていた日付のタクシー領収書が隠されていた。妻が知ることになる、5年前の事故と夫の病的な贖罪の真相とは。ミステリー|夫婦1.8万字5 47 -
完結第19話
全員が揃えた同じ嘘
小学五年の秋、担任の女性教諭が突然退職し、学校は精神の病気だと説明した。だがその日の放課後、私を含めたクラス二十三人の児童は、それぞれの家庭で「先生は午後三時に帰りました」と全く同じ嘘を親に答えた。口裏を合わせた覚えはない。半年後、唯一何も言わずに転校していった無口な少女が、私の机の引き出しに一枚のメモを残した。そこには『先生は三時のとき、まだ地下室にいました』と記されていた。ミステリー|裡の顔|真相|行方不明2.8万字5 95 -
完結第11話
亡き義母の口座を洗う女
3年前に7年間の壮絶な介護の末に他界し、この手で骨壺に納めたはずの義母。だが解約し忘れていた古い通帳を繰り越すと、死後も毎月「生前給与」が振り込まれ、毎週水曜の深夜に即座に引き出されていた。深夜のコンビニで張り込んだ私が見たのは、義母の服を着て義母と全く同じ体の癖を持つ見知らぬ女。死者は生きているのか。真実を追う私は、隣で眠る夫が隠していた、狂気と冷酷に満ちた「生前名義ビジネス」の底なし沼へと引きずり込まれていく。ミステリー|嫁姑|夫婦1.6万字5 51