"冷えた雑煮の逆転正月" 第5話
「だから健はだったのよ!」
「規定でございますので」
母はカウンターを叩いた。
だがかせない。
俺が夜、正式に確認続きを取ったからだ。
やがて母は諦め、りながらをた。
駐には、黒い型SUVがまっている。
運転席に直。
の級。
弓が見積で見つけた700万円超のだった。
「お義父さんのおが……」
弓が呟いた。
俺はスマホでとナンバー、直の姿を撮した。
2がりった、俺たちは急いで実へ戻った。
誰もいない。
押し入れの奥に、古い型庫がある。
「番号、分かるの?」
「ああ。親父がくなるに教えてくれた」
俺はダイヤルを回した。
へ3回。
へ2回。
もう度へ。
最にレバーをげる。
カチャリ。
鉄の扉がいた。
「壊れてない……」
弓が呟く。
当然だ。
には権利、印鑑、古い類。
その奥から、俺は父の定期預に関する通帳を見つけた。
ページをく。
言葉を失った。
3000万円を超えていた定期預はすでに解約されている。
普通座へ移され、そこから数百万円単位で引きされ続けていた。
最残。
12万5000円。
弓が元を押さえた。
「そんな……」
「全部やったんだ」
俺の声が自分でも驚くほどくなった。
弓の目から涙が落ちる。
「お義父さん……健さんに何かあったのためにって……」
父は晩、治療費さえ惜しみながらを残していた。
それが、ほとんど消えている。
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通帳の全ページを撮した。
さらに奥を探ると、透なファイルがてきた。
直のの購入契約。
現括。
弓が拾った見積と致する。
「弓」
「うん」
「君が気づいてくれたから、ここまで辿れた」
弓は涙を拭いた。
だが、その直だった。
ファイルの最も奥から、見慣れない緑の用がてきた。
つ折りになっている。
広げた瞬、全の血がえた。
婚届。
夫――佐藤健。
妻――佐藤弓。
弓の名は、本の跡を真似たな字でかれていた。
横には物の文判。
証欄には、母と直の署名と印。
俺の署名と印鑑さえあれば、いつでもせるように作られている。
「私……こんなのいてない」
弓の声が震えた。
「分かってる」
「お義母さんたち……私を追いすつもりだったの?」
答えはだった。
父の遺産を使い果たした、弓を棒に仕てげ、婚させ、から放りす。
15の献を、1枚で消す。
俺は婚届を証拠として折り畳んだ。
その。
玄関の扉がいた。
「ただいま!」
直の苛った声。
母の音。
予よりい。
俺は弓を背へかばい、いた庫のにった。
の襖がく。
母の線が俺、弓、庫へ順番にいた。
にしていたポーチが畳へ落ちた。
「あ……」
数秒、顔がりに染まる。
「弓さん!」
母は俺ではなく弓を指さした。
「あなた、うちの庫にまでをしたの!」
直もすぐ便乗した。
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「うわ、マジかよ。兄貴、こいつ棒じゃん」
弓の肩が震える。
「違います。私は……」
「嘘つかないで!」
母が鳴った。
「15もうちに寄して、最はお父さんの遺産まで盗む気だったのね!」
弓の顔から表が消えた。
「俺がけた」
俺は歩へた。
母の声が止まる。
「パスポートを探してた」
「健、騙されちゃ駄目よ。この女があなたをそそのかして――」
「もういい」
俺は弓のを取り、をた。
背から直の笑い声が聞こえる。
「ほら、図だから逃げたんだよ」
母も言った。
「あんな嫁をもらったせいでの格までがるわ」
2はまだ気づいていない。
俺が通帳もの契約も婚届も、全部確認したことに。
台所へ着くと、弓は流し台のにったまま俯いた。
「私……寄してたんでしょうか」
「何言ってるんだ」
「お義父さんとの約束を守りたかっただけなのに」
涙が滴、流し台へ落ちた。
「私、邪魔者だったんですね」
俺は湯器のスイッチを入れた。
温度をげ、蛇をひねる。
い湯気がった。
弓が慌てた。
「健さん、お湯は駄目。お義母さんにられる」
「もうらせておけ」
俺は弓の赤切れたを取り、温かい湯のへ入れた。
弓の指が震えた。
「温かい……」
「もうたいを使わなくていい」
俺はそのを包んだ。
「で全部終わらせる」
弓はしばらく湯を見つめていた。
やがて顔をげる。
「私、もう怖くありません」
静かだが、はっきりした声だった。
「全部、らかにしましょう」
その、俺のスマホが震えた。
弁護士からだった。
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