"保険金つき同居" 第9話
まだ額の求はしない。
まだ警察ともかない。
事実確認を求めるだけ。
それが佐々の方針だった。
「最初から相を追い詰めすぎると、本当のことを話さなくなります」
みよ子も同した。
3。
優太から連絡が入った。
〈話しいます〉
所は佐々の事務所。
そして当。
優太とゆかりは揃って現れた。
ゆかりは泣き腫らしたような顔をしていた。
優太も頬がこけている。
みよ子はが痛むかとっていた。
しかし。
を見ても。
胸は驚くほど静かだった。
佐々が録音の部を再した。
『なるべくく逝ってくれればいいのに。保険も入るし』
ゆかりの顔が固まった。
続いて。
『正直、考えたことはあるよ。母さんがいなくなれば、残った財産も俺たちに来る』
優太が目を閉じた。
録音を止める。
い沈黙。
最初にをいたのは優太だった。
「母さん」
声が震えていた。
「本当に……悪かった」
みよ子は黙っていた。
「仕事もローンも変で、俺、どうかしてたんだ。ゆかりとも毎喧嘩してて」
隣でゆかりが顔をげた。
「私だけのせいにするの?」
「そういうじゃないだろ」
「だって保険の話だって最初に言いしたのは――」
ゆかりが途で止まった。
部の空気が変わった。
みよ子はゆっくり顔をげた。
「最初に言いしたのは?」
ゆかりの唇が震えた。
優太が彼女を睨んだ。
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「黙れよ」
その瞬。
みよ子は初めて気づいた。
自分が聞いた夜の会話よりに。
まだ聞いていない話がある。
話しいはその、いったん断された。
帰り際、ゆかりは優太より先に廊へた。夫婦のには、みよ子が見たことのない険悪な空気が流れていた。
翌。
佐々事務所へ本の話が入った。
ゆかりからだった。
「で話したい」
優太にはらせないでほしいと言った。
数。
ゆかりはで現れた。
化粧はく、以のみよ子へ見せていたった笑顔もない。
「全部、私が悪いって言うつもりはありません」
最初の言葉だった。
「でも、全部優太さんのせいだとも言いません」
みよ子は何も答えず聞いた。
ゆかりの話によれば、同居の話がる半ほどから、優太夫婦の計はかなり苦しくなっていた。優太がの事業へ資した300万円が戻らず、さらにカードローンまで使って穴を埋めていたという。
マンションのローン。
斗の塾代。
借。
夫婦は毎赤字だった。
そこで最初に「お母さんのを売ってもらえば」とにしたのはゆかりだった。
しかし。
同居を提案したのは優太。
「母さんはじゃ細いはずだから、こっちから言えばぶ」
そう言ったという。
「保険は?」
みよ子が初めてをいた。
ゆかりはしばらく俯いた。
「優太さんです」
優太が保険代理のから話を聞いてきた。
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齢の親と同居するなら、万のの活費や宅ローン対策として命保険を考えてはどうか。
本来なら本へ説し、同を得るべきだった。
しかし。
「お母さんに言ったら嫌がるから、引っ越しの類と緒にいてもらおうって」
みよ子は目を閉じた。
「あなたは止めなかった」
「止めませんでした」
ゆかりは認めた。
「むしろ、いいといました」
そして同居。
っていた以にみよ子が元気で、自分で何でもできた。
夫婦にとって。
それが誤算だった。
「私たちは、お母さんがもっとっているとってたんです」
「どうしてっている方がよかったの?」
ゆかりは答えなかった。
答えなくても分かった。
っていれば。
通帳を管理できる。
活を決められる。
やがて施設へ移せる。
だけが残る。
「認症の記録を作ったのは?」
「私です」
「優太は?」
「ってました」
ゆかりは泣かなかった。
言い訳もしなかった。
その態度がかえって、みよ子にはかった。
「斗に私へたくするよう言ったのも?」
「はい」
そこで初めて。
ゆかりの目に涙が浮かんだ。
「あの子は嫌がってました。何度も、なんでそんなことしなきゃいけないのって。でも私は、おばあちゃんのためでもあるって言いました」
「私のため?」
「に執着しないようにした方が、将来施設へく楽だって」
みよ子はく息を吐いた。
これほどまでに。
は自分に都のいい理由を作れるのかとった。
話の最。
ゆかりが言った。
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