"近道看板の逆襲" 第3話
が振り返った。
「今から?」
「丈夫だとはうけど、やっぱり気になってさ」
族の活がかかっている畑だ。
気にしすぎだと笑われても、確認しないでは眠れなかった。
夜の農は静かだった。
虫の声と、くをるの音だけが聞こえる。
俺は懐灯で元を照らしながら、トウモロコシ畑へ向かった。
カラーコーンはそのままだった。
板もっている。
「良かった……」
俺が堵しかけた、そのだった。
くからエンジン音が聞こえた。
しかも普通の速度ではない。
どんどんきくなる。
やがてヘッドライトが農の先に現れた。
「なんだ、あれ……」
はほとんど減速することなく、こちらへづいてくる。
カラーコーンのでも止まらない。
そのまま突っ込んできた。
「ちょっと待て!」
俺は慌てての脇へ退いた。
はカラーコーンを弾きばし、入禁止の板を倒して畑のへ入っていった。
その運転席を照らす灯ので、顔が瞬見えた。
っている男だった。
の息子、だった。
が入院してから、息子が好き勝している。
そんな噂は以からにしていた。
で横柄な態度を取った。
農から勝に作物を持っていった。
酒に酔って揉め事を起こした。
ただ、どれも噂話で、俺自が直接被害を受けたことはなかった。
だから半信半疑だった。
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だが今、目ので自分の畑をでっている。
俺は側へった。
が畑を抜けたところで声をげた。
「ちょっと! 止まってください!」
ブレーキランプが赤くった。
が止まり、運転席の窓がく。
「何だよ」
は面倒くさそうな顔をしていた。
「何してるんですか。ここ、うちの畑ですよ」
「だから?」
あまりにも当然のように返され、俺の方が言葉に詰まった。
「だからって……勝に通らないでください」
「こっちは急いでるんだよ」
「急いでるかどうかは関係ありません。私です」
はで笑った。
「うるせえな。俺が誰だか分かってんの?」
「っていますよ。さんの息子さんですよね」
俺はなるべく静に答えた。
「私はここ、平農園の平浩です」
「なら話がいじゃねえか」
はのドアへ腕を乗せ、偉そうに顎をげた。
「俺はまれながらの級国民。おは般」
瞬、本当に何を言っているのか分からなかった。
「……はい?」
「つまり、こののものは俺のもの。般のものも俺のものってことだ」
あまりの発言に、りより先に呆れが来た。
「何を言ってるんですか。異世界から転してきた暴君か何かですか」
「とにかく、ここは俺のだから好きに通る」
「いや、俺の畑です」
「うるせえ」
はそう吐き捨てると、アクセルを踏んだ。
は再びりし、倒れた板の横を通り過ぎた。
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「待ってください!」
もちろん止まらなかった。
暗にテールランプが消えていく。
俺は踏みつぶされたカラーコーンを拾いげた。
「何なんだ、あの……」
背から音がした。
振り返ると、父がっていた。
「父さん?」
「おも畑が配で来てたんだな」
虎之助はざかるの方向を見た。
「今の、のせがれじゃなかったか?」
「うん。止めたんだけど、全然話が通じなかった」
俺は倒された板を見せた。
父の表が険しくなった。
「これはもう、もっとしっかり対策した方がいいな」
俺も同じ考えだった。
度注しただけでは、は絶対にやめない。
畑を守るためには、もっとはっきりと境界を示す必があった。
翌朝、俺と父はりいの板へ連絡した。
きでは軽く扱われた。
それなら、目見ただけで私だと分かる丈夫な板を作ろう。
「きい方がいいな」
父が言う。
「ああ。『私につき入禁止』『平農園』ってはっきりいてもらおう」
畑の入りにはカラーコーンも増やした。
通れる隙があると、なら平気で入る。
ただし農作業用の両は入りするため、完全に塞ぐわけにはいかなかった。
昼過ぎには板が届いた。
い板に赤と黒の文字。
私につき入禁止。
関係両以入禁止。
平農園。
ではありません。
これなら、どんな言い訳もできない。
俺と父は杭を打ち、簡単にはかせないよう固定した。
「これでさすがに無理だろ」
俺が言うと、父も頷いた。
だが、その期待は翌には裏切られた。
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