"義母ATM、ハワイへ消ゆ" 第1話
1225の朝、私はいつもよりい5に目を覚ました。67歳になった今でも、護師として37働いていた頃の癖が抜けず、忙しいほど目覚ましが鳴るに目が覚める。台所では3からに浸していた黒豆を確認し、塩抜きの数の子のを替えながら、私は今も族4で迎える正をい浮かべていた。
息子の正也と嫁の歩美、それに学になった孫が2。毎1231の夕方にがへ来て、元は夫の夫と6でおせちを囲むのがここ数の習慣になっていた。私は決して料理を自するようなではなかったが、族が「おいしい」と言ってくれる顔を見るのが好きで、伊達巻も栗きんとんもできるだけ作りしていた。
「今も無理するなよ。買ったものを並べるだけでも分なんだから」
朝の噌汁をみながら夫がそう言ったので、私は「分かってるわよ」と笑った。けれど実際には、蔵庫にはすでに正用の材がぎっしり詰まっており、テーブルの端には買いすものをいたメモまで置いてある。のために準備することを苦にわないのは、働いてきた職業柄なのかもしれなかった。
午9をし回った頃、スマートフォンが鳴った。画面には「歩美さん」と表示されており、私は黒豆の鍋をにしてから話にた。
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正に必なものでも増えたのだろうとっていた私のに、挨拶もそこそこに歩美のるい声がび込んできた。
「お義母さん、今のお正なんですけど、私の族も緒にくことになりました。全部で15で来ますから」
私はにしていた菜箸を落としかけた。最初は「15」という数字を聞き違えたのだとい、鍋のを止めながらもう度尋ねたが、歩美はまるで美容院の予約でも伝えるような調で数を説し始めた。両親、兄夫婦とその子供たち、妹、叔父夫婦などをわせると、確かに15になるという。
「ちょっと待って、歩美さん。うちはあなたたち4が来るつもりで準備していたのよ。そんな数が泊まれるようなでもないし、急に言われても……」
私が戸惑いながら伝えると、話の向こうで歩美はさく笑った。「丈夫ですよ、お義母さんなら。37も護師をしていたんでしょう? のお世話は慣れてますよね」と続けられた瞬、私は胸の奥にさな棘が刺さったような違を覚えた。
さらに歩美は、1231の朝から13の夜まで3泊するつもりだと告げた。事も寝具もすべてこちらで用してほしいらしく、「うちの親族はべるものにも結構うるさいので、それなりのものをお願いします」とまで付け加えた。
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こちらの都を尋ねる言葉は、度もなかった。
「皆、で過ごすお正を楽しみにしてるんです。じゃあ、よろしくお願いしますね」
それだけ言うと、話は切れた。
私はしばらくスマートフォンをに当てたままっていた。湯気の消えかけた台所で、黒豆の甘い匂いだけが妙にはっきりとじられる。15という数をので何度数え直しても、がに泊められる現実な方法などいつかなかった。
それでも私は、まず息子に確認しなければとった。正也なら、さすがに歩美の独断だと言って止めてくれるのではないか。そう期待しながら話をかけたのだが、息子は驚くどころか「ああ、その話ね」と軽い調子で答えた。
「正なんだし、にぎやかでいいじゃん。母さんなら何とかできるだろ?」
その言葉を聞いた瞬、胸の奥にあった違がしきくなった。私は数を泊める布団もないこと、事を作るだけでも変なことを説したが、正也は「毎完璧にやってるんだから丈夫だよ」と笑った。さらに「歩美の親戚に、うちの母親は何でもできるって話しちゃったんだ」と、どこか誇らしげに言った。
話を切ったあと、私は居のソファに腰をろした。正面の壁には、8に撮った正也と歩美の結婚式の写真が飾ってある。
あの、私は息子のをからび、結婚式の費用として400万円を援助した。
その3、正也夫婦がマンションを購入したには、として1000万円を渡した。
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