"雪下の赤いマフラー" 第9話
「あなたを見つけた」
「僕が見つけてもらったんです」
その、佐藤が修院へ来た。
田からハルト宛てのを預かっていた。
「読む必はありません」
佐藤は言った。
「でも、君がりたいなら」
ハルトは迷った末、封をけた。
『親なるハルトへ』
『私は臆病だった』
『彩への気持ちより、自分の庭と仕事と評判を守ることを選んだ』
『が倒れたも、救うことより自分を守ることを考えた』
『その結果、3のを壊した』
『君に許してもらおうとはわない』
『ただ、私の罪を君のへ持ち込まないでほしい』
『君は私ではない』
読み終える。
ハルトはを膝へ置いた。
「僕のにも、このの血が流れてる」
美咲は首を横に振った。
「血は運命じゃない」
17沈黙した女性とはえないほど、はっきりした声だった。
「は、自分で選ぶの」
ハルトが美咲を見る。
「あなたは彩が守った命」
その夜、美咲の容体はさらに悪くなった。
夜け。
ハルトと院がそばにいる、美咲は目をけた。
「ハルト」
「ここにいます」
「枕のにがある」
ハルトが取りした。
「1になってから読んで」
「分かりました」
美咲は静かに笑った。
「会えてよかった」
「僕もです」
その、美咲は目を閉じた。
そして朝になるに、静かに息を引き取った。
17の沈黙を守った女性は、最の数だけ声を取り戻した。
親友の息子へ、母親の物語を渡すために。
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美咲の葬儀は、修院のさな礼拝堂でわれた。
では静かながっていた。
激しい吹ではなかった。
ゆっくりと、面をく包むだった。
参列したのは、院や修女たち、修院で暮らす子供たち、佐藤、そしてハルトだった。
17、美咲はシスターとしてきた。
族のもとへ戻らず、過を話さず、それでも自分と似たように居所を失った子供たちを守り続けた。
葬儀の。
ハルトは美咲の部へ戻った。
枕のにあったをく。
『親なるハルトへ』
『これを読んでいる、私はもういないでしょう』
『しまないでください』
『私はやっと、自分の役目を終えました』
そこには、彩の最の々が詳しくかれていた。
ので隠れて暮らした数か。
分なべ物もなかった。
病院へくことも怖かった。
それでも彩は毎、腹のの赤ん坊へ話しかけた。
『今も元気?』
『く会いたいね』
産がづくと名を考えた。
「ハルトがいい」
「どうして?」
「太陽みたいな」
そして199965。
男の子がまれた。
『あなたが泣いた瞬、彩は笑いました』
『こんなにさいのにきてる、と』
『自分がどれほど苦しい状態でも、あなたから目をしませんでした』
彩は最に美咲へ頼んだ。
「この子を守って」
「私のことで縛らないで」
「自由にきさせて」
美咲は約束した。
しかし、自分では育てられなかった。
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だからい沖縄の庭へ託した。
『ずっと自分を責めていました』
『でも今のあなたを見て、違いではなかったとえます』
『あなたはを助けたいとっている』
『彩が願った通りです』
最に、お願いがかれていた。
『旭川の裏に、3本のがあります』
『、彩、そして私のために植えました』
『そこにいを置いてください』
翌。
ハルトはい束を持って、旭川へ向かった。
舎の裏。
の積もる空きに、3本のがっていた。
そのには2つのさな。
名はない。
ただだけが刻まれていた。
1981―1998。
1981―1999。
と彩。
美咲はきていたから、自分のは作らなかったのだろう。
ハルトはを置いた。
首からロケットをした。
母親が残した赤ん坊の写真。
度、のそばへ置こうとした。
しかしを止めた。
そして再び首へかけた。
「これは持って帰ります」
ので言った。
「母さんが僕に残したものだから」
しれたところで佐藤が見守っていた。
ハルトがちがる。
「佐藤さん」
「はい」
「これで事件は終わったんですか?」
佐藤はし考えた。
「警察の事件としては、終わります」
「僕は?」
「君はこれからです」
ハルトはさく笑った。
「そうですね」
旭川央警察署へ戻った佐藤は、最の報告をまとめた。
19981112。
赤いマフラーを巻いた3の女。
17届かなかった。
美咲の記。
彩のカセット。
が眠っていた。
そしてハルト。
全ての資料を1冊の事件ファイルへ収めた。
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