"23回拒まれた元部長" 第5話
あなたの指導は必ありませんし、むしろフォームが崩れて迷惑しています。来週は仕事の切なコンペがあるので、今は本当に邪魔しないでください」
佐藤は鳴らなかったが、声には確なりが混じっていた。ここまで言えば、どんなに鈍いでも自分が歓迎されていないことくらい分かるはずだとった。ところが加藤は数秒黙った、るどころか気の毒そうな目で佐藤を見た。
「佐藤さん、だいぶプレッシャーがかかっていますね。だから僕の助言まで攻撃にじてしまうんですよ。そんなメンタルだと、本番でも力が入り過ぎて結果がません」
佐藤はを疑った。自分がっている理由は加藤のそのものなのに、加藤のではいつのにか「コンペで精神に定だからっている」という話に変わっている。しかも次の瞬には「今は技術よりメンタル面を見てあげましょう」とまで言い始めた。
「もういいです」
佐藤は練習を断した。残りもボールも残っていたが、これ以そのにいれば自分が本当に声を荒らげてしまいそうだった。クラブをバッグへ収め、ろから加藤が何か言っているのを無したまま、受付へ向かった。
帰りのでは、練習できなかったこと以に、自分のが乱されたことが悔しかった。
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フォームの修正は本来、自分の体の覚と集力を積みげていく作業なのに、加藤が現れるたびに「また何か言われるのではないか」という警戒が先につ。練習という所そのものが、しずつストレスの象徴に変わっていた。
翌週のコンペでも、佐藤は最までリズムを取り戻せなかった。最初のホールでティーショットをきくへ曲げ、そのも焦って修正しようとして余計に崩れた。取引先の役員は笑って「今は難しいですね」と声をかけてくれたため仕事の問題にはならなかったが、佐藤自はで最悪のスコアを記録した。
帰宅、妻から「楽しめた?」と聞かれた佐藤は、しを置いて「まあね」とだけ答えた。加藤のせいだけにするつもりはなかったが、なくとも自分が準備してきたの部を、あの男によって壊されたという覚は消えない。しかも本には、その事実を説しても理解されないだろうという確信まであった。
同じ頃、民パソコンサークルでも問題は限界へづいていた。かつて15いた参加者は5まで減り、部の半分以の机が空いたままになっていた。は辞めたへ個別に連絡を取り、理由を尋ねたところ、ほとんど全員から同じ名を聞くことになった。
「加藤さんに何をしても否定されるのが疲れました」
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「自分でやりたいと言っても触られる」「あのが来ない曜があるなら戻りたい」。はようやく、自分がこれまで「しお節介な」として処理してきた問題が、サークルそのものを壊しかけていると認識した。そこで次の活、参加者が帰ったに加藤を呼び止めた。
「加藤さん、しお話があります。皆さん、あなたからの指導を負担にじています。今は頼まれた以、の画面や作業にをさないでください」
加藤はしばらくの顔を見つめ、そのでさく笑った。「最のは向がないですね」と言い、悪びれた様子はなかった。が「向の話ではありません」と説しても、「だから僕が鍛えてあげる必があるんですよ」と返し、会話は同じところを回り続けた。
「残った5だけでも、きちんと教えればレベルはがります。むしろ数が減った方が、僕もずつ見られて好都です」
その言葉を聞いた瞬、は背筋がたくなった。15から5へ減ったという事実さえ、加藤のでは自分に責任のない形へき換えられている。反省を促すための材料が、逆に指導をめる理由として利用されていた。
佐藤もまた、同じ結論へたどり着き始めていた。何を言ってもを変えられるなら、もう言葉で納得させようとしてはいけない。
必なのは、加藤が納得することではなく、加藤が越えられない線を作ることだった。
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