"23回拒まれた元部長" 第11話
加藤はいつも、自分が納得する理由を求めていたのだ。だから「でやりたい」だけではりず、「なぜでやりたいのか」を説させ、その理由に反論し、最には自分が納得できるまで相のを修正しようとしていた。
しかし本来、の拒絶に審査は必ない。「今は結構です」と言われれば、それだけで分なのである。理由が理か、自分が共できるか、相が本当は何をっているかなど、断られた側が判定する問題ではない。
佐藤はそれ以来、へ何か助言したくなった、度だけ「必なら言ってください」と声をかけるようになった。相が頼めば話し、頼まなければそのままれる。加藤のようになりたくないという警戒から始めた習慣だったが、結果に仕事でも部との関係がし変わった。
「教えないことも、相を尊するつのやり方なんだな」
そう考えるようになった頃、佐藤はから、民パソコンサークルの参加者が再び12まで増えたと聞いた。しい参加者のには、以加藤に嫌ないをして辞めたもいたという。
誰かがいなくなっただけで、所の空気は驚くほど変わることがある。その事実が何をしているのか、加藤だけが最までらなかった。
それから半、佐藤は取引先とののコンペに参加した。
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回の失敗があったためし緊張していたが、練習で自分のリズムを取り戻していたこともあり、スコアは平凡ながら最まで落ち着いて回ることができた。終、取引先の役員から「より楽しそうでしたね」と言われた、佐藤は技術よりも、自分のを自分で取り戻せたことの方がきかったのだと気づいた。
会社でも、佐藤は以ほど部のやり方へをさなくなった。若社員が資料作成で悩んでいても、いきなり「こうした方がいい」と言うのではなく、「緒に見ようか」と度尋ねる。断られれば「分かった」と席をれ、それ以理由を聞かない。
あるの夕方、入社員が自分で作った提案を持ってきた。「やっぱりし見てもらえますか」と頼まれたため、佐藤は初めて細かな修正点を説した。話し終えた、入社員が「先に自分で考えさせてもらえたので、どこが分からないか分かりました」と言い、その言葉が佐藤のにく残った。
教えること自体が悪いのではない。識を伝えることも、経験者が若いを助けることも、関係のでは切な為である。ただし、それが助けになるのは相が受け取る余を持っているだけであり、拒絶された瞬からは、善という名をつけてもただの侵入になってしまう。
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加藤はその境界線を最まで理解できなかった。
写真講座では、最初の注から1ヶほどで再び苦がた。参加者のカメラ設定を勝に変え、「こっちの方が正しい」と構図まで指定し、断ったに「だから達しない」と言ったため、講師から厳注を受けた。3度目の注を受けた、加藤は「こんな窮屈な講座では才能が伸びない」と言い、自分から辞めた。
そのも域の囲碁教、スマートフォン相談会、ウォーキングクラブなどで、加藤を見たという話があった。囲碁教では初者のを横から直し、ウォーキングクラブではの歩幅を注していたらしい。どの所でも最初は「詳しい親切な」として受け入れられ、しばらくするとが距を取り始めた。
本はそれを、自分の識についてこられないがいせいだと考えていた。
加藤の自宅では、恵子も以ほど夫の話を聞かなくなった。「今は写真講座でこんなことを教えた」と話し始めても、「そう」とく返すだけである。加藤は妻まで自分への尊敬を失ったことを満にったが、それが何も方に指図されてきた結果だとは考えなかった。
かつての会社では、「加藤部」という肩きがあった。指示をせば部は従い、会議で話せば誰かがメモを取り、困っているへ助言すれば礼を言われた。
加藤はその関係のから「部」という文字だけが消えても、自分との関係は変わらないとっていた。
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