"閉店写真館の11通" 第8話
笑っている族のに、喧嘩した帰りがある。
写っているは本当だ。
写っていないも本当だ。
佐子は突然、疲れた。
何も写真を扱ってきて、どうしてそんな簡単なことをらなかったのだろう。
「ごめん」
気づけば言っていた。
真理が顔をげた。
佐子自も驚いた。
「運会のことだけじゃなくて」
続けようとして、何を謝ればいいのか分からなくなった。
全部と言えば嘘になる。
母親だったのすべてを違いだったとはっていない。
佐子は考えた。
「あなたが寂しかったって言ったに、私が自分の言い訳ばっかりしてたこと」
真理は黙っていた。
「それは、ごめん」
しばらくして、真理がをすすった。
「そこ?」
「にもあるなら個ずつ言って」
真理がし笑った。
「そういうところ、お母さんだね」
はその、完全に仲直りしたわけではなかった。
帰り際、真理は36枚の写真から5枚だけスマートフォンで撮った。
「持って帰らないの?」
佐子が聞くと、
「閉めるまでお母さん持ってて」
と答えた。
その言葉のは聞かなかった。
佐子もしずつ、すべてをそので理解しようとしなくなっていた。
閉まで週になった。
11通のうち、7通は何らかの形でき先が決まった。本へ戻ったもの、遺族が受け取ったもの、本の希望で処分したもの。
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残り4通のうち、族写真が入っていた無記名の封筒は瀬のものだと分かったため、実質に持ち主なのは3通だった。
つは1996の京都旅。
つは2001の赤ん坊の写真。
最のつには、祭りの夜が写っていた。
浴の女性。
魚すくい。
綿あめ。
。
誰もカメラを見ていない写真がく、撮者の族なのか、ただ町の景を撮ったものなのかさえ分からなかった。
封筒には名字だけ、
《原》。
この町に原姓は珍しくない。
佐子は何かに問いわせたが、結局分からなかった。
閉週、坂井子からが届いた。
施設の便箋で、字はし震えていた。
《息子にをしました。写真を枚入れました。返事はまだありません。返事がなくても、今度は捨てられないといます。自分が謝りたかったことをいたので、それで私の仕事はつ終わりました》
最に、
《写真が戻ったからではなく、写真を見て、まだ私がきていたからけたのだといます》
とあった。
佐子はその文を度読んだ。
写真そのものがを救うわけではない。
昔を修正することもできない。
ただ、それを見るがまだきているなら、そのあとに何かする余が残されている。
苗からもメッセージが来た。
妹の裕美と、来会うことになったという。
《幹線の切符取りました。
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でも喧嘩するかもしれません》
最に笑う顔の絵文字がついていた。
佐子は、
《喧嘩しても会ったことにはなります》
と返した。
すぐ、
《写真さんらしくない返事ですね》
と返ってきた。
佐子自もそうった。
以なら、仲直りできるといいですね、といたかもしれない。
今は、会ったら必ず良い結果になるとはわなくなった。
は写真のように、番いい瞬で止まってくれない。
会えば嫌なことも言う。
昔のりも戻る。
それでも、きている者同士なら次の面がある。
629。
閉。
商のたちが次々と顔をした。
証写真を最に撮る。
昔の写真を持ってくる。
「ので枚撮って」と頼む。
は惣菜を量に持ってきた。
「も来るのに、何で今持ってくるの」
佐子が言うと、
「は泣くから料理なんか持てない」
との分からないことを言った。
夕方、児玉孝も来た。
息子へ運会の写真を送ったところ、「俺、昔からフォーム変だな」と返事が来たらしい。
「でもね」
児玉は言った。
「枚、女が写ってるのがあったんですよ」
運会の庭の端。
若い妻が、息子へ筒を渡している。
「女、5にんでるんです」
児玉はスマートフォンに保した写真を見せた。
「息子よりこっちばっかり見ちゃってね」
が撮りたかったものと、になって切になるものは違う。
佐子はそれを何度も見た。
撮したには背景だったが、20には写真のになる。
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