"22年目の母席" 第7話
「これは?」
「盲腸の術をしたです」
京子が答える。
麗子が驚いた。
「術したの?」
京子は瞬、何を答えるべきか迷った。
「13歳のです」
「全然らない」
麗子の声がさくなった。
写真はさらに続いた。
美緒が2の、く髪を切った写真。
学格の。
成式。
修平の還暦祝い。
プロフィール映像の担当者が言った。
「お母様と美緒様のお写真も何枚か入れたいのですが」
麗子が顔をげた。
「私と?」
担当者が資料を確認した。
「婦様のお母様ということで伺っておりますので」
部の空気が止まった。
麗子には、美緒が4歳までの写真しかない。
しかも元にはほとんど持ってきていなかった。
「昔のアルバム、実にあるとうんですけど」
麗子が言った。
「にいますか?」
「枚か枚でも丈夫です」
担当者は気を遣った。
静が京子の写真を見た。
「京子さんとの写真は、ずいぶんありますね」
「緒に暮らしてましたから」
京子は普通に答えた。
麗子の顔がし固くなった。
その、美緒と達也が入ってきた。
「ごめんなさい、遅れました」
美緒が写真を見た。
「懐かしい!」
の文化祭写真を取る。
「これ、お母さんが撮ったやつだ」
反射に言った。
全員が京子を見た。
美緒も気づいた。
しだけきが止まる。
京子は何も言わなかった。
プロフィール映像に使う写真を選び始めた。
美緒は学の運会を選び、学入学を選び、成式を選んだ。
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ほとんど全部、京子が撮ったものだった。
松原が確認する。
「こちらの成式のお写真、とても素敵ですね。隣に写っているのは?」
「母です」
美緒が答えた。
今度は言い直さなかった。
静がさく咳払いをした。
美緒は聞こえないふりをした。
打ちわせの半。
ウェディングケーキの最終確認になった。
麗子がパンフレットを指した。
「このアーモンドの飾り、かわいいんじゃない?」
美緒がすぐ首を振った。
「私、アーモンド駄目」
麗子は驚いた。
「嫌いなの?」
「アレルギー」
「そうなの?」
「のから」
麗子は黙った。
静も何も言わない。
京子は美緒の顔を見なかった。
勝ったともわなかった。
そんなことで勝ち負けを決めたくなかった。
ただ、母親というものは、
の役ではないのだとった。
好きなべ物。
嫌いな匂い。
邪を引いたにべるもの。
が鳴ると眠れなかったこと。
のに好きだった男の子。
何度言っても靴を裏返しで洗濯へ入れる癖。
そういう無数のつまらないことをっているが、ある「母親」になるのではない。
ろうとしてきたそのものが、
親なのかもしれない。
打ちわせが終わる頃、麗子が京子へ言った。
「し話せますか?」
だけでホテルのカフェへ移った。
麗子はしばらく黙っていた。
「今、きつかったです」
正直な言葉だった。
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京子はコーヒーをんだ。
「何がですか」
「何もらないこと」
麗子は笑った。
「私は美緒の母親だってって来たんです。でも、らないんですね。何も」
京子は否定しなかった。
「京子さん」
麗子が顔をげた。
「私、結婚式にない方がいいといますか?」
京子はし考えた。
「それは美緒さんが決めることです」
「あなたなら?」
「私なら決めません」
麗子は苦笑した。
「ずるいですね」
「22、そのことで自分が決めないようにしてきたので」
麗子は黙った。
しばらくして、
「だから美緒はあなたが好きなんでしょうね」
と言った。
京子は初めて麗子をまっすぐ見た。
「好きなら、何をしても傷つかないわけじゃないですよ」
麗子の表が止まった。
京子自も驚いた。
以なら言わなかった言葉だった。
「私は今回、かなり傷ついてます」
「……そうですよね」
「でも、それとあなたが式にるかは別です」
京子はコーヒーカップを置いた。
「私はもう、美緒のために全部譲るのをやめようとってるので」
麗子はい、返事をしなかった。
数の曜。
麗子が突然、京子のへ来た。
美緒はいない。
達也もらない。
麗子だった。
「すみません。迷惑ですよね」
玄関で言われ、京子はし迷ったがへ入れた。
修平の写真があるリビングへ通す。
麗子は写真のでち止まった。
若い頃、自分が夫婦だった男性。
25以会っていないままくなった。
「修平さん、変わらない」
麗子が言った。
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