"新郎が消えた結婚式" 第10話
「庭環境まで馬鹿にしたって聞いた」
私は職の様子を直接見たわけではない。
になって兄を通して聞いただけだ。
恵理子さんは、それまで仕事のできるとしてく評価されていた。
責任ある仕事も任されていたし、輩からも目置かれていたらしい。
けれど、関係はしずつ変わった。
特に結婚式にいた同僚たちは、恵理子さんの発言を直接聞いている。
そのには再婚庭で育ったもいた。
学歴に事がある族を持つもいた。
「仕事はできるけど、性はちょっと……」
そんな見方をされるようになった。
最初のうち、恵理子さんは気にしていない様子だったという。
自分は仕事で結果をしている。
私活と仕事は関係ない。
そう考えていたのかもしれない。
しかし周囲との距は確実に広がった。
以は緒に昼を取っていた同僚たちが、しずつれた。
仕事のの集まりにも声をかけられなくなった。
さらに、それまで恵理子さんが任されていたプロジェクトの責任者も、いつのにか別のへ変わった。
能力が急に落ちたわけではない。
それでもをまとめるでは、信頼が必になる。
司がどんな判断をしたのかまでは私には分からない。
ただ、恵理子さんは次第に居所を失っていった。
「何で私だけこんな目に遭うの」
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そう漏らしていたらしい。
けれど周囲は、以のようには同しなかった。
半ほど経った頃。
恵理子さんは会社を辞めた。
そのらせを聞いた、私はし複雑だった。
「辞めたんだって」
兄が淡々と言った。
「そうなんだ」
「うん」
「お兄ちゃん、何かう?」
「別に」
航太は本当に興がないようだった。
「もう俺には関係ないだから」
私はその言葉を聞いて、しした。
兄がまだ恵理子さんを引きずっているのではないかと、どこかで配していたからだ。
恵理子さんは、そのもしい会いに恵まれなかったらしい。
結婚式での来事をっているが周囲にいたこともあり、関係を築くのが以より難しくなったと聞いた。
因果応報。
そんな言葉をい浮かべたこともある。
でも私は、恵理子さんが幸になればなるほど嬉しいという気持ちにはなれなかった。
彼女のがどうなるかは、もう私とは関係がない。
ただ、を見してにした言葉は、相を傷つけるだけでは終わらないのだとった。
その自がどんななのか。
周りは見ている。
私を「卒のクズ」と呼んだ言葉は、結局、恵理子さん自の評価を変えてしまった。
方、兄の活もしずつ落ち着きを取り戻していった。
結婚式がなくなった直は、会社でもいろいろ声をかけられたらしい。
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「丈夫か」
「無理するな」
学代からの友たちも、々兄を事へ誘った。
私は内していた。
私だけが兄の支えではない。
航太にも、ちゃんと切にってくれるがいる。
その、兄はしばらく結婚の話をしなくなった。
それも当然だとった。
婚約し、式まで予約し、当を迎えてから破談になったのだ。
いくら兄が「く分かってよかった」と言っても、何もじていないはずはなかった。
私は余計なことを言わなかった。
ただ以と同じように、々緒に事をした。
そんな々が半ほど続いた頃。
兄の仕事でしいきがあった。
会社が方の農産物を都部で販売する規事業を始めることになり、航太も担当者の1になったのだ。
「最、張いね」
「農さんのところ回ってるからな」
「変そう」
「でも面いよ」
航太は以より楽しそうだった。
「直接作ってるの話聞くと、同じ野菜でも全然見え方変わる」
仕事の話をする兄の表がるくなった。
私は、それだけで分だった。
ところが、ある。
航太が妙に落ち着かない様子でへ来た。
「智」
「何?」
「ちょっと話がある」
その言い方に、以の記憶が蘇った。
「まさか」
「何だよ」
「結婚?」
「まだそこまでってない」
航太は苦笑した。
「でも、気になるがいる」
私はわず笑顔になった。
兄にも、ようやくしいがき始めた。
「どんな?」
以と同じ質問をすると、航太はし考えた。
「農の娘さん」
「仕事でりった?」
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