"新郎が消えた結婚式" 第14話
周囲からどう見られるかより、自分を切にしてくれる。
そういうが、本当の族なのだと私はう。
私にとって、それが航太だった。
えば、航太も両親に捨てられた側のだった。
自分だって学で、将来があった。
本当なら、自分のことで精杯でもおかしくなかった。
それでも私を守った。
もしあの、航太が、
「血もつながってないし、俺には関係ない」
と言っていたら。
私のは、まるで違っていただろう。
学にも戻れず。
活するもなく。
誰も信じられなくなっていたかもしれない。
それを考えると、兄にはかかっても返しきれない恩がある。
でも航太にそんなことを言うと、決まって嫌そうな顔をする。
「兄妹で恩とか言うなよ」
きっと今もそう言うだろう。
だから最は、あまりにしない。
代わりに野菜を取りにった、兄嫁を伝ったり。
子どもたちが緒に遊ぶのを見ながら事をしたり。
困ったは今度は私が兄を助けたり。
そうやって暮らしていけばいいのだとっている。
兄が私を支えたと同じだけ。
今度は私も、兄の族を切にしていく。
それで分なのかもしれない。
ある休。
子どもたちが遊んでいる横で、私は航太と並んで座っていた。
兄嫁と夫はしれたところで話している。
「お兄ちゃん」
「ん?」
「今、幸せ?」
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突然聞いたので、航太が変な顔をした。
「何だよ急に」
「いいから」
兄はし考えた。
それから族の方を見た。
「まあ、幸せなんじゃない?」
「何その言い方」
「分幸せだよ」
兄は笑った。
「智は?」
私も子どもたちを見る。
り回って。
笑って。
転びそうになれば誰かがを伸ばす。
それを見ながら、私は頷いた。
「私も」
本当にそうった。
いろいろなことがあった。
母親に振り回された子ども代。
学へけなかった々。
突然いなくなった両親。
兄が働き詰めになった活。
退。
そして結婚式で受けた侮辱。
どれか1つだけを切り取れば、しい話だった。
でもは、その面だけでは終わらない。
苦しいのにも、次のが来る。
信じられるに会うこともある。
失ったとっていた族を、別の形で作ることもできる。
私は血のつながらない兄に育ててもらった。
そして今、自分の子どもを育てている。
あの頃の私が今の姿を見たら、信じるだろうか。
きっと無理だとう。
でも私は伝えてあげたい。
丈夫。
今は苦しくても、そこでは終わらない。
あなたを親のことで笑わないもいる。
学歴だけで判断しないもいる。
血がつながっていなくても、絶対にをさない族だっている。
そしていつか。
自分が誰かにされていることを、疑わなくてもいいが来る。
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子どもたちの笑い声が響いていた。
私は横にいる兄を見る。
昔よりしを取った。
当然、私も同じだ。
それでも私のでは、航太はあのと変わらない。
両親が消え、何も分からず震えていた私に、
「丈夫だ。俺が何とかする」
と言ってくれた兄だ。
本当の族は、血のつながりだけで決まらない。
つらいに誰が隣にいたか。
自分がっている、誰がをさなかったか。
私にとって、その答えはずっと変わらない。
航太は義理の兄ではない。
親の再婚で偶然できた兄でもない。
私を育て、守り、をつないでくれた。
たった1の、本当のお兄ちゃんだ。
そして今。
私たち兄妹は、それぞれ温かな庭を持ち、族同士で支えいながら暮らしている。
あの、誰もいなくなった結婚式では像もできなかった未来だった。
だけど今振り返れば、あの来事があったからこそ、兄は自分を本当に切にしてくれると会えた。
私もまた、しい兄嫁との縁から今の夫と会うことができた。
は、どこで何がつながるか分からない。
度は最悪だとった来事が、その先の幸せへ続いていることもある。
だから私は、今のを幸だったとはっていない。
苦労はかった。
泣いた回数も、きっとよりしかった。
それでも最に残ったのは、捨てられた記憶ではなかった。
私を捨てなかったとの記憶だった。
それだけで、私のは分幸せなのだとう。
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