"6秒の着信" 第4話
には沢やの流まで確認され、にはの落ち葉が腐って面がした区域を調査したものの、結果は変わらなかった。
警察は2の活も徹底に調べた。座、クレジットカード、保険、借、関係、会社での問題、過の交際相まで確認されたが、失踪を自ら計画したと考えられる事は見つからなかった。結婚式の費用はすでに部支払われ、居には具の搬入まで決まっていた。
ジフンのパソコンから遺のような文章は見つからず、アリンの検索履歴にも失踪を示唆するものはない。への国記録もなく、事件に座からがいたこともなかった。2が分を捨てて別の所で活している能性は、が経つほどくなっていった。
方、2が別れた分岐については様々な推測が広がった。喧嘩して別々に歩き始めたという説、片方が先にしてもう片方が忘れ物を取りに戻ったという説、登にりった第者と別を取ったという説までた。しかしどの説も、午410分以に2が同に消えた理由を説できなかった。
202010、族は事件から1となるに岳を訪れた。公園の入と分岐点付にさなを置き、報提供を求めるを配った。翌2021も同じことを繰り返したが、々の記憶から事件がれていくのを止めることはできなかった。
広告
テレビで取りげられる回数も減っていった。インターネットでは折「岳恋失踪事件」として話題になったものの、しい報のない事件はく々の関をつなぎ止めることが難しい。警察の類では捜査継続となっていたが、専任で事件を追う刑事の数も徐々に減っていった。
族だけはを止めることができなかった。アリンの母親は娘の部をほとんど変えず、ドレスショップから届いた案内状も机の引きしに残していた。ジフンの父親は息子のを売らず、定期にエンジンをかけては駐に戻した。
内は警察が度詳しく調べていた。トランクには旅用バッグがあり、部座席には登で使わなかった装備の入った黒いバックパックが残されていた。類、非常用品、菓子、救急用品などは覧表にされ、性のないものとして証拠品保管庫へ移されていた。
誰も、そのバックパックの内張りの奥にもうつさなポケットがあることに気づいていなかった。
そして誰も、2が最に使っていた携帯話が、警察や救助隊が何度も通過した所からわずか150メートルほどれたのにあるとはらなかった。
2022827、岳ではの観シーズンをに登周辺の備がわれていた。ので詰まった排溝を清掃し、落や砂の状態を確認する定期作業だった。
広告
午10をし過ぎた頃、作業員4がくにある古い排のをかきしていた。
排溝には腐った葉と細かながく積もっていた。1の職員がシャベルを差し込んだ、先端にとは異なるい触が伝わったため、周囲のをしずつ取り除いた。やがて黒く汚れた方形の物体が姿を現した。
それは、画面の割れた1台のスマートフォンだった。
発見されたスマートフォンは、期分にさらされていたため見だけでは所者を判断できないほど傷んでいた。黒いケースにはが入り込み、充端子は腐し、画面の部も剥していた。それでも種を調べると2019に販売されていた製品であることが判したため、警察はすぐに3の失踪事件との関連を疑った。
端末は子鑑識部へ送られた。バッテリーは完全に使用能だったものの、内部の保用メモリーチップは幸運にも比較形を保っていた。技術者は基板からチップを取りし、専用装置を使って断片化したデータをしずつ読みしていった。
復旧には数をした。写真のくは壊れており、画の部は再できなかったが、所者を確認するには分な報が残されていた。連絡先、メッセージアプリのアカウント、写真に記録された物から、この端末がハン・アリンのものだと断定された。
広告
おすすめ作品
-
完結第21話
日本一情の深い父の裏の顔
妹がサービスエリアで姿を消して5年。全国を巡り「日本一情の深い父親」と称賛される父から、私は古いワゴン車を譲り受けた。だが車内の清掃中、妹の指定席だったシートベルトが事故の衝撃で「4センチ」伸びきっているのを発見する。さらに奥底から見つかったのは、刃物で切断された妹の防犯ブザーだった。父に問いただすと、かつてない冷酷な声で「今すぐ車を処分しろ」と脅され――。私は父の狂気と真実を暴くため、ある決断を下す。ミステリー|裡の顔|真相|行方不明3.1万字5 75 -
完結第11話
九時三十四分の地下鉄、消えた暴行犯
午前九時三十四分、地下鉄の車内で若い男が突如狂乱し、中年客の顔面を骨が軋むほど殴打した。床一面に飛び散る鮮血。だが、隣に座る同じ社章をつけた上司は、ただ口をあわあわと震わせ「腰を抜かして」座り込むだけだった。乗客たちと男を取り押さえ、駅員にすべてを通報した俺。しかし翌日、警察の発表も新聞の三面記事も、この凄惨な事件を「最初から存在しなかった」かのように完全に黙殺していた。なぜあの凄惨な暴力は一行も報道されず、駅の防犯カメラ映像すら消去されたのか。数年後、俺はある大手企業の役員名簿の中に、あの朝、冷たいホームの柱にすがってガタガタと震えていた「あの上司」の顔写真を見つけ、息を呑んだ――。ミステリー|真実1.6万字5 101 -
完結第19話
三十二人目の卒業写真
教職を退いた夜、三十年前に送り出した最初の教え子たちが開いてくれた送別会で、私は三十一人分の感謝の手紙を受け取った。だが自宅で数え直すと、名簿にない三十二通目の白い封筒が混ざっていた。便箋には「全員が卒業しました。私一人を残して」とだけ記されていた。翌日、私が困惑して生徒たちに当時の記憶を尋ねると、誰もが存在を否定し、深夜の受話器の向こうから「あの子のこと、墓場まで隠し通すつもりですか」昭和|ミステリー|因果応報|真相2.8万字5 176 -
完結第25話
一度も抱かれなかった娘
出産翌日に姿を消した妻の代わりに、私は男手一つで娘を育ててきた。「母親は抱っこも拒んで逃げた」と言い聞かせ続けて五年。カルテの保管期限が切れ、産院に呼び出された私の前に置かれたのは、妻が失踪直前に提出した母子同室申請書と一枚のガーゼだった。申請書の最下段には私の拒否印が押されており、持ち帰った鞄からこぼれ落ちた布を拾い上げた五歳の娘は、ピンクの刺繍を指でなぞりながら私を見上げた。夫婦|真相|行方不明|親子関係3.8万字5 142 -
完結第21話
十年前に死んでいた夫
病に倒れた夫を十三年間看取り、質素な火葬を終えた私は、医療記録の精算のため大久保総合病院の窓口へ向かった。だが職員から告げられたのは、データベースに夫の名はなく、提示した診察券は十年前に死亡した二十代の別人の番号だという宣告だった。半乱心で戻ったアパートを捜索するも、夫名義の保険証も免許証も通帳すら一枚も見当たらない。十三年間私の隣で息をしていた男の痕跡が、この世のどこにも存在しない現実に立ち尽くした。ミステリー|夫婦|介護|修羅場3.1万字5 2982 -
完結第12話
左足だけの靴箱
隣室の吉岡さんが部屋で亡くなった。付き合いのなかった老人の遺品整理に立ち会った彩香は、業者から「故人の遺言」として段ボール箱を手渡される。中に入っていたのは、彩香が過去5年間に自宅の玄関から消えたはずの「左足の靴」12足。そして、それと対になる新品の右足の靴。靴底をめくると、そこには夫が「深夜残業」と偽っていた日付のタクシー領収書が隠されていた。妻が知ることになる、5年前の事故と夫の病的な贖罪の真相とは。ミステリー|夫婦1.8万字5 47 -
完結第19話
全員が揃えた同じ嘘
小学五年の秋、担任の女性教諭が突然退職し、学校は精神の病気だと説明した。だがその日の放課後、私を含めたクラス二十三人の児童は、それぞれの家庭で「先生は午後三時に帰りました」と全く同じ嘘を親に答えた。口裏を合わせた覚えはない。半年後、唯一何も言わずに転校していった無口な少女が、私の机の引き出しに一枚のメモを残した。そこには『先生は三時のとき、まだ地下室にいました』と記されていた。ミステリー|裡の顔|真相|行方不明2.8万字5 95 -
完結第11話
亡き義母の口座を洗う女
3年前に7年間の壮絶な介護の末に他界し、この手で骨壺に納めたはずの義母。だが解約し忘れていた古い通帳を繰り越すと、死後も毎月「生前給与」が振り込まれ、毎週水曜の深夜に即座に引き出されていた。深夜のコンビニで張り込んだ私が見たのは、義母の服を着て義母と全く同じ体の癖を持つ見知らぬ女。死者は生きているのか。真実を追う私は、隣で眠る夫が隠していた、狂気と冷酷に満ちた「生前名義ビジネス」の底なし沼へと引きずり込まれていく。ミステリー|嫁姑|夫婦1.6万字5 51