-
完結第23話
父の逝った夜の車
父が亡くなって十八年、独身の伯父は私達三兄妹を支え続け、兄の就職も姉の結婚資金も工面してくれた。家族全員が恩人と慕う中、末っ子の私だけが幼い頃から伯父と二人きりを拒み、性格のせいだと呆れられていた。二十八歳のある日、会食の席で伯父が私の椅子を引いてくれた瞬間、鍵のかかっていた記憶が甦る。十八年前の嵐の深夜、泥まみれの母が一度だけ家に戻った時、街灯もない門前の暗闇で消灯したまま待っていたのは、伯父の車だった。兄弟姉妹|真実|親子関係|修羅場3.4万字5 0 -
完結第17話
何番まで落ちたら離婚するの
三年連続で学年一位を取り続ける十二歳の息子。深夜まで勉強に付き添う私と、追い詰めるなと制する夫は、外食先でも教育方針を巡って激しく口論していた。沈黙していた息子は突然、「僕が何番まで落ちたら二人は離婚するの」と冷たく言い放ち、鞄から直近三回分のテスト用紙を取り出した。そこに並んでいたのは、最難関の応用問題だけが解かれ、一番簡単な基礎計算だけを全て意図的に間違えた、信じがたい異様な答案だった。夫婦|真実|親子関係|修羅場2.6万字5 0 -
完結第17話
娘の十七万円を愛人に貢いだ夫の末路
海外留学中の娘から届いた手紙には、「毎月1500円の仕送りでも頑張ってるよ」と書かれていた。私は毎月17万円を送っているはずなのに――。不審に思った私・富が調べると、残りの16万8500円は夫・直太の隠し口座へ流れていた。長年、私と娘には「無駄遣いは悪だ」と我慢を強い、教師の仕事まで辞めさせた亭主関白の夫。その裏で彼は、出張と偽って若い女性と旅行し、娘の留学費まで貢いでいたのだ。異国で卵ともやしに耐えていた娘を思うと、悲しみは凍るような怒りへ変わった。もう黙って従う妻ではいない。私は銀行の記録を確認し、探偵に素行調査を依頼して証拠を集める。そして休日、偉そうに「一家の主」を語る夫へ静かに問いかけた。「例の彼女には、一体いくら貢いだの?」――その一言から、偽りの亭主関白を引きずり下ろす私の反撃が始まる。親子関係2.5万字5 0 -
完結第15話
千五百円の仕送りと暴かれた嘘
『仕送りありがとう。毎月1500円でも卵で頑張ってるよ』。アメリカ留学中の娘から届いた1通の手紙と写真に、元教師の妻・登美は息を呑んだ。 毎月17万円を送金していたはずが、銀行で判明したのは「海外送金は10ドル、残りは夫の隠し口座へ振替」という残酷な横領の証拠。 超ドケチなモラハラ夫は、娘の命綱を着服して新卒の部下と不倫し、豪遊を繰り返していたのだ。全てを録音した登美は、土下座して泣きつく夫の前に離婚届とペンを叩きつける。そのペンを見た夫が絶叫した理由とは――。親子関係|金銭問題2.2万字5 0 -
完結第13話
二十七年目の嘘
58歳で急死した夫の遺品を整理していた美智子は、引き出しの奥から27年前の「採用内定通知書」を見つける。当時不合格だと思い込んでいた東京の出版社からのものだった。封筒の裏には夫の筆跡で「辞退連絡済」。夫はなぜ私の人生を勝手に奪ったのか。さらに、夫の出世作となった伝説の住宅企画が、かつて自分が書いた企画ノートそのものだったことを知る。奪われた名前と人生を取り戻すため、妻が下した決断とは。人生逆転|夫婦|真実|第二の人生|親子関係2.0万字5 0
- 1