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"偽りの仕送りと緑の通帳" 第20話

「お母さん。以のようにおや見栄のためではなく、としての尊厳を認めい、謝しえる関係でいられるのなら、私たちはんでを差し伸べますよ」

私がそう告げると、君代は何度も何度も頷いた。

「ええ……ええ! 以の私は、本当に愚かで、切なものを見失っていたわ。これからは、絶対に気をつけるからね……」

そのを境に、義母の活と態度は劇に変化していった。

驚いたことに、君代は毎のように奈々と緒に所を散歩するようになったのだ。

押しを押し、ゆっくりとした取りで歩きながら、端に咲くや季節の移ろいを楽しんでいるという。

「今まではねぇ、『が悪いから』って理由をつけてに閉じこもって、テレビを見ては文句ばかり言っていたでしょう? そんなの、がもったいないって気づいたのよ」

あるち寄った君代は、朗らかな笑顔でそう語ってくれた。

その表は驚くほど穏やかで、かつての刺々しさは完全に消えっていた。奈々の働く施設の元教授とも、定期にお茶をみながら語りう「茶み友達」として交流をめているのだという。教養ある元教授との対話が、義母の好奇性を良い方向へと刺激してくれているようだった。

そして、そのの初

義母は、さらにきな歩を踏みすこととなった。

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なんと、君代は奈々が勤務している特別養護老ホームで、週に、ボランティアとして活を始めたのだ。

が悪くてもできる、タオルの洗濯物畳みや、芸の補助、そして何より――同じ齢の女性入居者たちの「お話し相」としての活だった。

、主婦として培ってきた世話の引きしや、自らの苦い経験を経ての痛みが分かるようになった今の義母は、施設のおばあさんたちから「君代さんとお話しすると元気がもらえるわ」と、変な気を集めているのだという。元教授も、きと働く義母の姿を、窓際から嬉しそうに見守ってくれているそうだ。

は、居所さえあれば変わることができる。

誰かに必とされ、自分の価値をじられる所――適材適所の所にを置くことで、義母は自らの尊厳を正しく取り戻したのだ。

あるの夕暮れ。

ボランティアを終えた義母が、に夕飯をべにやってきた。

卓には、私が作った煮物と、奈々が焼いてくれた卵焼きが並んでいる。

「お母さん、ボランティア、順調みたいですね。いい刺激になってるんじゃないですか?」

私がいたずらっぽく微笑みながら声をかけると、君代はお茶を啜り、瞬だけ昔のようにむすっとした顔を作ってみせた。

だが――すぐにその元が緩み、柔らかな満面の笑みが広がった。

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「……ふん! それもそうねぇ!」

君代はそう言って、カラカラと声をてて笑い声をげた。

つられて浩も、奈々も、私も吹きし、リビングに温かい笑い声が満ち溢れた。

こんなに、族全員でから笑いえるが来るなんて、あの獄のようなダイニングテーブルのにいた頃の私には、像すらできなかった。

けれど、は変われるのだ。理尽に耐え続けるのをやめ、真実を突きつけ、お互いのさと尊厳を認めうことができたなら、目のの景はこれほどまでにるく、鮮やかに塗り替えられるのだ。

「お母さん、おかわりいかがですか?」

「いただくわ。真美さんのご飯は、やっぱりしいわねぇ」

誇らしげに茶碗を差しす義母の笑顔を見つめながら、私はからの温かい笑顔を返し、これからも続いていく私たちのしい未来を、力く信じていた。

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